「フェアトレード農園」への投資が広がる意外な訳 開発途上国の支援から、なぜ地球温暖化対策へ?
一見高く見える商品だが、コーヒーの場合、プレミアムの金額を1杯に換算するとわずか0.6円程度。温暖化が進み、土壌改良などが必要な中、コーヒーを飲み続けるための研究や、生産者の生活支援に使われる金額と考えればそれほど高い金額でもない。
フェアトレードという気候変動対策
日々進む温暖化について、中南米の生産農家としてはやるせない気持ちもあるようだ。温暖化にブレーキをかける施策として、各国が取り組む脱炭素。CO2排出国ランキングには先進国がズラリと並ぶ。だが今、温暖化の影響を最も受けているのは貧困国の農家の人々だ。フェアトレード・ラベル・ジャパンの潮崎真惟子事務局長はこう話す。
「日本の場合、気候変動の対策として、炭素を出さない脱炭素化にむけた動きは活発になりはじめていますが、すでに生産国で起きてしまった災害にどう対応するかにも目を向ける必要があります」
こうした中、中南米を「気候変動課題先進国」と捉える動きもあるという。代表団によると、すでにイギリスの企業がフェアトレード農園に対して投資を開始しているという。彼らの目的は気候変動に強い土壌作りにある。雨に強い土壌を作るため、フェアトレード農園でバイオ技術についての共同研究が始まっている。
農産物を売る小売り企業の場合、売る農産物がなければ商売はなりたたない。代表団の一人は、フェアトレード活動に対する資金提供は貧困国救済というよりも、自分たちの売る商品を守るための先行投資ととらえる動きが出てきたと語る。
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