「フェアトレード農園」への投資が広がる意外な訳 開発途上国の支援から、なぜ地球温暖化対策へ?
欧米を中心に各地でフェアトレード運動が起こる中、1997年に設立されたのが国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International)だ。この組織は、国際的に最も知名度を誇るフェアトレード認証ラベルの一つを作り上げた。
安心で安全な商品であることを伝える認証ラベル
フェアトレード運動では、小規模農園を束ねた組合組織を作り、直接市場とつながり交渉する力をつける手助けをしている。また、生産者の生活を守るため、取引の際の「最低価格」を設定、市場の暴落にかかわらず、生産者が安定した金額を手に入れられるよう働きかけを行っていた。同機構はこうした公平な取引によりできあがった商品、農産物であることを示す認証ラベルをつける取り組みを始めた。
同機構では、経済的基準、社会的基準、環境的基準といった3つの「公平性」を軸に、以下5つの項目を設けている。
審査は厳格で、基本的には対面による監査によってライセンスの発行を行っている。生産者向けの認証や、輸入業者向け認証など、認証カテゴリーが分かれるが、いずれの場合も基準を元にした無数のチェック項目をクリアしなければならない。
また、一度審査を受けたら終わりではない。認証を受け続けるには、定期的な監査を受けなければならない。こうして発行される認証ラベルは、人と地球に公平であることを示すラベルとなり、消費者に安心で安全な商品であることを伝える役割を果たすようになっていく。
小売り大手のイオンなどでも取り扱いが始まったフェアトレードラベル認証商品。イオンでは包材やサプライチェーンの短縮により、一般商品と同等の値段を実現したが、まだまだ、一般的な商品と比べて割高な店も多い。これは、フェアトレード・プレミアムと呼ばれる金額が含まれているからだという。フェアトレード・プレミアムは、生産者の生活を支える活動や、農園の技術向上、教育活動支援などに使われている。近年はこれまでの支援に加えて生産者に対し、地球温暖化対策に関する知識と技術の教育も行うようになった。
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