ぐっすり睡眠が「脳のゴミを掃除する」納得の根拠 ただ寝るだけはNG!なぜ熟睡することが大切?
「睡眠不足なんて一晩ぐっすり眠れば大丈夫!」
……そう思っている方もいらっしゃるでしょう。一晩ぐっすり寝て解消できるのであれば、睡眠負債の心配はいりません。
ただその一方で、
「ちゃんと眠ったのに、起きた後もぼんやりする」
「早くにベッドに入ったのにいつまでも寝つけない」
「ぐっすり眠れなくて、途中で何度も目が覚めてしまう」
などといったことが起こるようなら、それは疲れた脳が引き起こす睡眠障害で、それを改善する策が必要です。
睡眠負債になってしまうと、2、3日睡眠時間を増やしたところで睡眠不足の状態を解消することはできません。睡眠負債解消には、3~4週間程度、十分な睡眠時間をとる必要があるという実験報告もあります。
なお、「寝だめ」で睡眠負債を防ぐことはできません。睡眠を寝だめで貯金したつもりでも、それを睡眠不足の穴埋めとして後から引き出すことはできないのです。
質の良い睡眠とは?
睡眠負債になってしまう前に、疲れた脳をメンテナンスする質の良い睡眠をとるためには何が必要で、何に注意するといいかを説明します。
まず「時間」です。
当然、短かすぎる睡眠はNGです。睡眠には「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」という2種類のタイプの違った睡眠があり、これがセットになった「睡眠サイクル」が一晩のうちに4~6回繰り返されます。これらが適切に繰り返されるには、ある程度の「時間」が必要です。
もう1つ、時間といっても「何時間寝たか」だけでは、睡眠の質は測れません。人間の脳は、「暗くなったら寝て、朝日とともに起きる」という太陽の動きに合わせて眠り、目覚めることで活性化されます。これを「概日(がいじつ)リズム」と言いますが、このリズムにあった睡眠でないと、脳も身体もしっかりリセットしきれません。
次に「どういった環境で眠るか」も大事です。快眠の3条件は「暗さ」「静けさ」「快適な室温」と言われています。
「ベッドに入ってもなかなか眠れない」「寝たはずなのに眠りが浅い気がする」というなら、寝室の環境をチェックしてみてください。照明が明るすぎるのはいけませんが、真っ暗が良いか悪いかは賛否が分かれます。真っ暗が好みの方は、OKです。
しかし、暗すぎて不安を感じるタイプの方は、オレンジ色など暖色系でほのかな明かりを灯してください。また、寝室が暑すぎたり寒すぎたりするのも睡眠の質を下げてしまいます。
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