「生産性伸ばせない中小企業」2つの大きな問題点 課題が多い中、社長はどうマネジメントする?
生産性に限界が訪れ、いずれ下がっていってしまいます。
人が管理・コントロールできる限界を超えてしまうからです。社員全員の役割を決め、実行状況を管理しながら必要な改善や指導を指示しようとしても、社員が増えていくと社長のキャパシティを超えてマネジメントできなくなってしまうのです。
そこで、必要となってくるのが仕組みで組織をマネジメントすることです。
社員が増えてくると目標や役割を文章やデータで示したり、手順書やルールを決めてリーダーに管理、指導を任せたりしなければ組織全体を適正にマネジメントすることはできません。
つまり、人が直接組織を動かすのではなく、仕組みを介して組織を動かす構造にしなければ、統制が取れなくなるのです。多くの社長と接してきましたが、その限界は社員10~15名です。
この規模を超えて人に頼ったまま組織を大きくしてしまうと、必ず生産性は落ちてしまいます。
情報に振り回される社長
“もぐらたたきゲーム”に興じている。これが、多くの中小企業が生産性を高められないもう1つの要因です。
どういうことか、解説しましょう。
中小企業の社長は、手をつけなければならない多くの課題を抱え、悩んでいます。
賃上げ対応や人手不足に対する人材確保、人材教育、原材料高、営業力や集客力強化、IT・デジタル化、後継者問題、資金の確保などなど……。
では、こうした課題にどのように取り組んでいるのでしょうか。
正解は、「社長自身が重要で緊急度が高いと判断した課題から解決に取り組んでいる」です。
「当たり前だ」という方もいらっしゃるかもしれませんが、これが中小企業の収益力の伸びに限界を招いてしまう大きな問題なのです。社長が、対象とする課題を選択し、取り組むところからもぐらたたきゲームがスタートするのです。問題となってしまう要因は、次の2つです。
・単発で短期的な対応となってしまうこと
社長は、自社の経営や業績向上に役立てようと、さまざまなところから情報収集に努めていることでしょう。新聞や経済紙などの媒体。ニュースや経済番組などのメディア。YouTubeをはじめとしたインターネットコンテンツや、ポッドキャストやSNSなどの情報。また、地域や経営者団体などの場で、人づてで情報を得ている人もいるかもしれません。
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