中国「政府職員のiPhone禁止」のドデカい衝撃 アップルは過熱する米中対立の板挟み
中国で広く使われているソーシャルメディア「WeChat(ウィーチャット)」では、職員による外国ブランドのスマートフォンやノートパソコンなどのデジタル機器の使用を9月7日から禁じるという部門責任者の決定を引用したメッセージが拡散した。
そのメッセージによると、職員は外国ブランドのデジタル機器を自宅で業務に使用することも禁じられた。ウィーチャットで拡散したメッセージには、10月1日までに職員のiPhone使用停止が義務付けられることになる、というものもあった。
中国の政府職員がiPhoneの使用を禁じられているかどうかは、長年ネット上の話題となっており、全面禁止への拒絶も散発的に見られた。上海の新聞は2014年、上海市職員はセキュリティ上の懸念からiPhoneを手放す圧力にさらされている、と報じたことがある。
先端技術の自給自足を急ぐ中国
北京の政府系研究機関で働くある研究員は、iPhoneを使わせないようにする動きは、中国政府高官や中国共産党機関紙が主要技術の「国産品への置き換え」と呼ぶ戦略から波及しているように見えると話した。
この戦略は昨年から加速しており、習近平国家主席は7月に党機関紙に掲載された2月の高官向け演説の中で、科学研究と先端技術における中国の自給自足を実現する取り組みを強化するよう促している。
中国の国家安全相は最近、中国政府職員やその他の重要な職務に就いている人々がアメリカの諜報員にリクルートされていた事例を公表。中国の国家安全局は今年に入り、政府職員による携帯電話の不注意な使用にはハッキングや機密情報漏洩の危険があると警告していた。
(執筆:Keith Bradsher記者、Chris Buckley記者、Tripp Mickle記者)
(C)2023 The New York Times
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