エンタメ業界の性加害、日米の社会的制裁の違い ジャニーズ社名変更なしはアメリカではありえず
次はアマゾンで起きたケース。アマゾン・スタジオを立ち上げたロイ・プライスのセクハラが女性プロデューサーによって暴露されると、プライスはただちに休職に入った。しかし、それでは済まず、翌週には辞職に追いやられた。
それを受けて、被害女性の弁護士は、「この問題のために正しいステップを取ってくれたことを嬉しく思います。この業界に、敬意と気品のある文化を作っていくことは重要。他人にひどいことをする権力者を許してはなりません」と、アマゾンの素早い行動を称賛する声明を発表している。
だが、アマゾンは、そこで終わりにするのではなく、自分たちが変わったことを世に知らしめるべく、プライスに取って代わるトップを、社外の女性たちの中から探し始めたのだ。最終的にこの座を射止めたのはNBCエンタテインメントでプレジデントを務めたジェニファー・ソークだったのだが、ほかにもFox21テレビジョンのCEO、ディナ・ウォールデン、元ソニー・ピクチャーズのトップ、エイミー・パスカルらの名前も上がっていたという。
ピクサーのトップもセクハラで退職
そして、ディズニー。「#MeToo」が盛り上がる中では、ピクサー・アニメーション・スタジオで『トイ・ストーリー』『カーズ』などを監督し、ディズニーがピクサーを買収してからはディズニー・アニメーション・スタジオのトップも兼任したジョン・ラセターの醜聞も浮上した。女性スタッフのルックスについてコメントをする、体を触るなど、不適切な振る舞いがあったというのだ。
ラセターは自主的に半年の休職をしたが、その期間が終わると、ディズニーはその年の末でラセターは退職すると発表。ディズニー・アニメーションにおけるラセターの後任には、『アナと雪の女王』の女性監督ジェニファー・リーが任命された。
そして、ピクサーにおける後任は長年の社員で『インサイド・ヘッド』などを監督したピート・ドクターが就いた。彼は男性ではあるが、以来、ピクサーは、女性と有色人種が積極的に起用されてきている。
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