エンタメ業界の性加害、日米の社会的制裁の違い ジャニーズ社名変更なしはアメリカではありえず

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9日になると、役員らは、ワインスタインの名前をすべての映画とテレビのクレジットから外すと発表。社名変更をするために広告会社を雇おうとしていることも報道された。

業界サイト「Deadline.com」は、「ひとつのブランドとなった彼の名前から距離を置くことは、TWCが生き延びるために最も重要なこと。このブランドは今や毒なのである」と書いている。たった4日間でここまで進んだのだ。

それでも十分ではなく、会社を丸ごと、あるいはばらばらにして売るしかないと、関係者のほとんどはこの段階でわかっていた(共同創設者であるボブ・ワインスタインだけは、その選択を拒否した)。TWC創設時に融資し、株主でもあるゴールドマン・サックスも「報道されたような行為には言い訳の余地がない。我々は強く非難する」と声明を発表し、早々と関係を断っている。

ジャニーズ 性加害 
「#MeToo」運動によりアメリカで糾弾された男性(エンタメ業界以外も含む。右下がハーベイ・ワインスタイン)(写真:AP/アフロ)

元の社名は完全に消滅

その後まもなくTWCを買いたいという会社、人物が複数現れた。そのうちのひとりで、過去に銀行を創設した経歴を持つマリア・コンテレラス=スウィートは、自分がトップに立ち、役員のほとんども女性が占める形で組織を完全に改編する計画を提案。彼女ももちろんのこと、買収を希望した中にTWCの社名を残すつもりだった会社や人物はまったくいない。

しかし、結局買収は成立せず、このスキャンダルの前から多くの負債を抱えていたTWCは各方面から訴訟されて、経営破綻。最終的にランターン・キャピタルが買収し、ランターン・エンタテインメントの社名で新たな出発をすることになって、TWCの名前は完全に消えた。

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