「ペットの福利厚生が広まらない」日本と欧米の差 犬や猫も家族の一員、という意識の一方で…

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犬および猫の飼育頭数が、15歳未満の子供の数を上回り、少子高齢化が進む日本では、「ペットは家族という意識」がより強まると考えられます。ペットの存在が人間の精神面に影響を与える機会が増えてくるでしょう。 

ペットロスで仕事が手につかなくなる。ペットが病気だと、心配で仕事に集中できない。これは「ペットだから」ではなく、子供や両親など「家族」であれば、同様に精神面で影響を受けます。

制度や体制を整えていく必要がある

このようにペットに対する価値観が変わっている時代だからこそ、日本でも企業側が「ペット」の存在を家族の一員とした制度や体制を整えていくことが求められています。従業員の活躍機会の創出、生産性UP、採用機会の増加など企業が抱えている課題の解決へと導き、さまざまな利益へとつながるでしょう。

「ペット飼育者向けの福利厚生」と考えると少しハードルは高いですが、忌引き休暇の対象者の中に「ペット」という存在も含める小さな変化だけでも、中長期的に大きな利益を生み出すきっかけになるのではないでしょうか。

羽鳥 友里恵 愛玩動物飼養管理士・ペット防災危機管理士

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はとり ゆりえ / Yurie Hatori

博報堂での広告営業の仕事を経て、2021年7月に「日本をペットフレンドリーな社会へとアップデートする」ことをビジョンとして掲げた株式会社PETSPOTを創業。ペットを飼っている人と飼っていない人が共存できる社会環境/意識向上に取り組む事業を展開。また株式会社SARABiO 温泉微生物研究所にて、ペットライフスタイルブランド「Docpal」や「BESTIES」をプロデュースし、2022年4月同社の最高動物福祉責任者(CAO=チーフ・アニマルウェルフェア・オフィサー)に就任。

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