ゴルフ会員権、株高についていけない理由 平均価格は低迷だが、今後は2極化の動きも
パブリックコースを中心にビジターでも予約しやすいコースを売りにしてきたゴルフ場運営大手でも、会員募集に力を入れる動きが出ている。
全国で128コースを運営するPGMホールディングスは、これまで43コースで補充会員を募集してきた。この4月からはさらに27コースで補充募集を始め、パブリックの1コースも会員制に変えて新規募集を開始した。
田中耕太郎社長はこう説明する。「東日本大震災のとき、原発風評被害でほとんどお客様のいなくなったコースもあった。しかし、会員制コースには、こういうときこそプレーしようと、会員が率先して来てくれた」。
135コースを運営するアコーディア・ゴルフも約100コースで会員権を補充募集中だ。両社とも補充募集の会員権は平均相場よりさらに安く、30万~50万円前後が中心。「会員なら土日でもプレー料金はキャディーレスの食事付きで6000~7000円。シーズンによっては、ビジターだと土日で1.5万~2万円にもなり、差は大きい」(アコーディアの渡邊真司・執行役員営業本部長)。つまり、週1回プレーすれば1年で取り戻せる価格設定を打ち出す。
上昇する場合は高額会員権から
運営会社側が補充募集に力を入れる中、会員権相場はどうなるのか。「富裕層は株高の資産効果があるので、これから上昇する可能性はある。そのときは、高額会員権から上がるだろう」と住地ゴルフの小林社長は見ている。
同じ会員権といっても、運営大手が補充募集する数十万円のコースと、数百万円以上の高額コースとでは、相場が異なる動きをする局面もありそうだ。
(「週刊東洋経済」2015年5月23日号<18日発売>「価格を読む」を転載)
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