東大生が「成績が伸びない子」を一瞬で見抜く視点 「解けない問題」への態度がこんなに重要なわけ

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だからこそ東大生はみんな、何かを考えるときは手を動かします。人の話を聞くときにメモを取り、授業中にも自分の思考を整理するためにノートを取り、問題を解くときにもただ考えるのではなく手を動かすのです。

手を動かすことで身に付く「粘り強さ」

それに、「わからなくてもとにかく手を動かす」ということを続けていれば、粘り強く物事を考える習慣が身に付きます。

たとえば、東大の入試問題ってやはり、とても難しいです。問題文を理解するのも、情報を整理するのも、非常に高度に「頭を動かす」ことが求められます。ですから、99%以上の東大生が、問題をパッと見て、解答や解法が思い浮かばないのです。

しかしそれでも懸命に、「わからない問題の中の、わかる部分」を、手を動かして思考を整理しつつ、実験していくことで、新しいことが見えてくるように作られているのです。

逆に、「難しいから」と言って、簡単に諦めて「自分はこの問題、解けないだろうな」と考えてしまう人には解けないように作られているんです。諦めるのが早い人は東大に向いていません。とにかく粘り強く物事を考えられる人でないと、東大に合格できないのです。

「わからないからといって、諦めないこと」

勉強するうえで、この精神を持っているかどうかは、そのあとの勉強を左右します。逆に、「わからなかったらすぐ諦めてしまう人」というのは、どんなに勉強しても成績が上がりにくく、頭が良くなりにくいと思います。

みなさんもぜひ、わからないことがあったときには、「手を動かす」ということをやってみてください。

「何を書けばいいのかわからない」という人もいるでしょうが、正直なんでもいいです。文章を読んでいて「わからないな」と思ったら、わかった部分とわからない部分を箇条書きにしてもいいですし、重要だと思ったところに線を引いてもいいと思います。英語であればわかる英単語を日本語に直してもいいでしょう。

それ以外で、本当にわからない問題を見つけたときは、問題文を言い換えてみたり、問題文と同じ言葉を自分で書いてもいいです。とにかく「手を動かす」ことを意識していれば、頭は良くなりやすいです。ぜひ皆さん、実践してみてください!

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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