若者世代をディスる「トランプ2.0」人気の正体 米共和党大統領候補の急上昇株を支持する人々

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だが、世代的な不安を喚起するラマスワミの言葉は、少なくとも共和党大統領候補者の最初の予備選挙が来年1月に行われるアイオワ州のレストラン、カフェ、大規模会場に押し寄せた人々の心にはなぜか響いているようだった。

とはいえ、こうした人々の中には若い有権者があまりいない点が目を引く。ラマスワミの見解の多くも、彼の世代やそれよりも若い世代の意見とは食い違う。そうした違いがとりわけ鮮明に表れているのが、気候変動対策や選挙権年齢についてだ。

ラマスワミは、化石燃料の使用の廃止や削減といった気候変動対策の処方箋に声高に反対し、公民権テストに合格した場合を除いて若い有権者の選挙権年齢を引き上げるべきだと訴えている。

選挙で選ばれる職に就いたこともなければ政府で働いた経験もない38歳のラマスワミは、ミレニアル世代ではなく、ベビーブーマーやX世代の支持がもっとも厚い政党で大統領候補の座を争っている(ピュー・リサーチセンターはミレニアル世代を1981〜1996年に生まれた世代と定義)。

連邦政府職員の75%をクビにする過激公約

共和党大統領候補者をめぐる全国世論調査の平均でラマスワミは3位につけており、トップを独走するドナルド・トランプには遠く及ばないものの、トランプの最大の脅威と目されていたフロリダ州知事ロン・デサンティスに迫りつつある。ラマスワミは自らを共和党の未来、トランプのイメージに近い保守派としてアピールしている。

ラマスワミの弁舌はこのところ過激さを増しているが、ハーバード大学でディベートに参加していた頃の落ち着いた口調と知的な雰囲気は健在だ。彼は今、「革命」と自身の「ラディカリズム」について語っている。

だが、その主張の大部分は何カ月と変わっていない。教育省、連邦捜査局(FBI)、内国歳入庁(IRS)を廃止し、連邦政府職員の75%を解雇するというのは、その1つだ。

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