自分のスキル「消えるか・生き残るか」の見分け方 外部環境の変化とともに自身のアップデートを

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③ 消えていく、強いスキル

「消えていく、強いスキル」については、自分の雇用を維持するための過渡期のスキルで、いずれ頼れなくなる、手放さなくてはいけなくなるものなので、注意が必要です。

例えば、作業を正確に行うオペレーションスキルは、今後生成AIなどに次々と代替される可能性があるため、作業系の仕事が得意な方はリスキリングによって、異なる分野でそのスキルを活かせるようにしていく必要も出てくるのではないかと思います。

僕自身の場合は、AIの分野の動向や知識は必死にキャッチアップしてきた分野です。AIの業界で働き始めて5年目になりましたが、5年前に話していた当時は最新だったことが、どんどん技術の進化で当たり前に変化し、話す営業トークの内容も本当にガラッと変わりました。常に知識のアップデートが必要になっています。

④ 消えていく、弱いスキル

「消えていく、弱いスキル」は固執してはいけない、手放すべきスキルです。僕の場合、銀行という特殊な環境にいたが故に、以前はファイナンスの知識や経験、スキルがありました。当時はこれらが強いスキルだったため、フィンテック業界への転職ができました。

しかし、長らく知識のアップデートができていないうえ、ファイナンス分野は自動化の影響を著しく受け、労働の自動化が進んでいるので、もう自分にとっては頼れないスキルになってしまったのだと、今では考えています。

最新のスキル習得で気をつけること

デジタル分野においては、日々新しいスキルが生まれては消えていくサイクルが繰り返されています。

新しいスキルを身につけ、自分自身をアップデートすることはとても重要なのですが、気をつけるべきことがあります。それは「特定のツールを使えるようになることで、終わってしまわないこと」「ツールを使えるようになることで、リスキリングが完了したと思い込まないこと」です。

『新しいスキルで自分の未来を創る リスキリング 【実践編】』(日本能率協会マネジメントセンター)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

「特定のソフトウェアのみに紐づいた『◯◯』というツールを使えます」というスキルについては、そのツールが市場を席巻していて、長きにわたって必要なスキルなのであれば、一定期間は通用すると思いますが、革新的なテクノロジーが生まれて、そのツールそのものを使う必要がなくなるタイミングがおそらくやってきます。

そのため、近視眼的に「◯◯」というツールを使えますという場所に安住するのではなく、未来を見据えて、変化に対応していく柔軟性が必要となります。

ですから大切なことは、外部環境の変化とともに「自分をアップデートし続ける」スキルそのものを身につけ、習慣づけることです。そのために新しいツールを使えることが必要になるのであれば、その新しいツールを使ってみる、ということです。

後藤 宗明 一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ代表理事  SkyHive Technologies 日本代表

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ごとう むねあき / Muneaki Goto

1971年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。富士銀行(現みずほ銀行)を経て米国で起業。帰国後、米国のフィンテック企業の日本法人代表などを務めたのち、2021年、日本初のリスキリングに特化した非営利団体、ジャパン・リスキリング・イニシアチブを設立。2022年、AIを利用してスキル可視化を行うリスキリングプラットフォームSkyHive Technologiesの日本代表に就任。「日本をリスキリング」するため、石川県加賀市「デジタルカレッジKAGA」理事、広島県「リスキリング推進検討協議会/分科会」委員、経済産業省「スキル標準化調査委員会」委員、リクルートワークス研究所 客員研究員を歴任。日本全国にリスキリングの成果をもたらすべく、政府、自治体向けの政策提言および企業向けのリスキリング導入支援を行う。

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