雑談で好印象をゲットする「共感サイン」の送り方 言葉よりボディランゲージのほうがより重要

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3つ目は、特に、雑談においては、ピラミッドストラクチャーで考えて思考の整理をするのは有効ですが、コミュニケーションスタイルとしては、ピラミッドストラクチャーは使わない、ということです。

コミュニケーション法としては、それぞれの場面の目的と相手のステークホルダー視点に応じて多様なパターンから有効なものを選択して工夫します。

コミュニケーションスタイルとしてピラミッドストラクチャーが有効となる場面は、むしろ、ビジネスシーンなどの特定の場面に限られます。

聞き役+受け容れに徹する

4つ目は、聞き役+受け容れに徹することです。

雑談は、ただ話すことが目的ではありません。「ただ話したい」という一時の欲求から自分中心で話しすぎるとすれ違ってしまい、かえって相手との距離感も離れてしまいます。話し好きな性格のヒトは特に要注意です。巧みな相づち表現と質問を意識的に多用して、聞き役+受け容れに徹しましょう。

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雑談においても必ず背後に明確な目的があります。この目的を明確に意識して、相手のステークホルダー視点に立って会話を組み立てる思考は「ロジカルシンキング」です。

さらに、雑談の内容や展開、さらに、コミュニケーションスタイルの工夫においては、感情的なファクターも含めて雑談の目的が達成されるよう「ロジカルシンキング」します。

ここまでをまとめると、

➀自分と相手、それぞれの目的を認識して目的達成する

➁共感のサイン(ボディランゲージ)を送り続ける

➂同意はせずとも受け容れる

➃コミュニケーションスキル≠ピラミッドストラクチャー

➄聞き役+受け容れ>自分の主張

以上の5ステップが「雑談力の型」となります。雑談が苦手だという人は、ぜひ覚えて活用してください。

和氣 忠 大学院大学至善館特任教授

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わき ただし / Tadashi Waki

日本道路公団のエンジニアとして高速道路計画・建設に従事したのち、マッキンゼー・アンド・カンパニーにてテクノロジー・製造業分野を担当してパートナー就任、グローバルマネジャートレーナーのメンバー兼東アジア地域マネジャートレーニングリーダーとなる。その後、カーライルグループのアドバイザーとして投資先をサポートし、デジタル化の動きが本格化していくタイミングにてアクセンチュア戦略コンサルティングのマネジングディレクター就任。2017年に働くヒトの可能性を開花させることをミッションに、株式会社キャリアデベロップメント・アンド・クリエイションを起業。 

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