【ルポ】そごう・西武「ストライキ」最後の抵抗 紆余曲折の末「譲渡価額8500万円」で売却完了へ

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そごう・西武を買収したフォートレスも31日にリリースを公表。家電量販大手ヨドバシカメラを傘下に持つヨドバシホールディングスと連携し、そごう・西武の複数店舗にヨドバシカメラ新規出店の誘致を検討していることや、渦中の池袋西武には200億円以上を投じて改装や設備投資を行っていくことを強調した。

池袋西武は池袋駅東口のシンボルとして、長年多くの利用客に愛されてきた(記者撮影)

そごう・西武労組側は、セブン&アイHDの決議およびスト実行の意義をどう受け止めているのか。

デモ行進を終えたそごう・西武労組の寺岡委員長は、「交渉を通じて労組は(そごう・西武売却の)契約日変更を訴え続けてきた。ストは労組の“最後の武器”で、それを行ってもなお何も変わらなかったという事実はある。だが、そごう・西武のお客様や取引先、世間に訴えかけることの意義はあったと強く感じている。やれるだけやった」と、東洋経済の取材に対して語った。

池袋西武の事業計画を不安視

しかし妥結前にセブン&アイHDが売却を決議したことで、そごう・西武従業員の雇用問題は宙に浮いたままだ。

寺岡氏は「直近行われたセブン&アイHDとの団体交渉で、そごう・西武の雇用について今後数年間のシミュレーションを見せてもらった。だが、そもそも池袋西武が事業計画通りになるかまだわからないため、シミュレーションだけで雇用が守られると判断するのは難しい」と問題視する。

大手百貨店では約60年ぶりとなるストライキにまで発展した、そごう・西武の売却問題。9月1日以降は、新たに親会社となったフォートレスと労使交渉を行うことになる。池袋西武の大改装はどう進むのか、不安を抱えながら従業員は店頭に立ち続ける。

山﨑 理子 東洋経済 記者

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やまざき りこ / Riko Yamazaki

埼玉県出身。大学では中国語を専攻、在学中に国立台湾師範大学に留学。2021年東洋経済新報社に入社し、現在小売り・アパレルを担当。趣味はテレビドラマのロケ地巡りなど。

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