「毎日50錠の市販薬を飲んだ」彼女の壮絶な体験 大学生2年生のときに薬物依存に陥った男性も

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今は、薬で失ったものを徐々に取り戻している段階だという。

「自分自身、ダルクで多くの仲間と話して、初めて大学時代に感じた『生きづらさ』がどんなものなのか、わかった。薬をやめてからは大学に戻ってやり直し、新しい友人もできた。いずれは結婚するとか、子どもができて家族をつくるとか、そういうものを少しずつ積み重ねていきたい。今は(薬を使うという)選択肢はない」

家族の関わり方が、やめるきっかけに

取材で田畑さんは「家族の関わり方が、市販薬の過剰摂取をやめるきっかけとなった」と話したが、これは勇さんも同じだ。両親は当初、勇さんから薬を取り上げたり、強く叱ったりして、何とか薬の使用をやめさせようとしていた。

だが、あるとき両親は娘への対応を変えた。

「親から『これ以上私たちにできることは何もない。あとは自分でやってください』って言われました。そのときに『本当に見捨てられる。このままではダメだ、リハビリをしないといけない』と思ったんです」

これがダルクに入寮したきっかけの1つだったという。勇さんは自身の経験も踏まえてこう話す。

「家族は、自分たちだけでなんとかしたいと思うかもしれませんが、はっきり言って何もできないと思います。逆に子どもを自分たちから手放して、こういう施設や自助グループがあることを伝えること。さらには、自分たちも家族の会などに入って、(薬物依存について)学んでいくことだと思います」

田畑さんも言う。

「困りごとがあったら、まずは地域の精神保健福祉センターに相談にいってほしい。ダルクでも相談を受けています。自分たちだけで解決しようとせずに、専門家の助言を受けることがとても大切です」

鈴木 理香子 フリーライター

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すずき りかこ / Rikako Suzuki

TVの番組制作会社勤務などを経て、フリーに。現在は、看護師向けの専門雑誌や企業の健康・医療情報サイトなどを中心に、健康・医療・福祉にかかわる記事を執筆。今はホットヨガにはまり中。汗をかいて代謝がよくなったせいか、長年苦しんでいた花粉症が改善した(個人の見解です)。

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