中国人観光客の「爆買い」期待する人の意外な盲点 あからさまなマナー違反をする人も今回は減る
この傾向を示すデータを1つ紹介しよう。次の表をご覧いただきたい。これは中国人観光客のおみやげ購入率のランキングなのだが、2019年1~3月期は「化粧品・香水」が1位で、「電化製品」が8位に入っていた。
だが2023年1~3月期の同じデータをみると、「化粧品・香水」は順位、購入客単価ともに下がっており、電化製品にいたってはランク外になっている。そして化粧品や電化製品については、中国ブランドに魅力的な商品が多いことで知られる。おそらくこれらのアイテムについては、中国製品で満足している人が増えたと考えられる。
この2023年のデータには団体客が含まれていないため、2019年と一概に比較することはできないが、メイドインジャパンを絶対視し、「日本製品だったら何でも買いたい」と思う人が減りつつあるのは確かだろう。
2015年の爆買いは転売行為が横行
2015年頃は、日本の百貨店や家電量販店で免税品を大量に購入し、中国で高く売る転売行為(中国語で「代購(ダイゴウ)」と言う)が在日中国人の間で活発に行われていた。「代購がなければあれほどの爆買いは起こらなかった」と言われるくらい、こうした転売行為が横行していたのだ。
私はこの時期、関わりのあった中国人留学生に代購の実態についてインタビューしたことがあるのだが、話を聞いた8人全員が代購で月20万円以上稼いでいた。なかには月100万円以上稼いでいるツワモノもいたと記憶している。余談ついでに言うと、この時期から居酒屋やコンビニでアルバイトをする中国人留学生が減ったのは、代購で簡単に金儲けができてしまうことが理由の1つだと言われている。
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