トップ層の東大生が起業を選ぶようになった必然 官僚輩出は今は昔、ベンチャー企業の聖地へ

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そのうちの1社が、生成AI専門のベンチャー企業、neoAIです。neoAIは、2022年8月に東大工学部3年生だった千葉駿介CEOと寺澤滉士良COOの2人が共同で創業しました。

2人は、2年生の時に受講した松尾豊教授の「データサイエンティスト講座」で出会いました。ともに、その講座の受講者約1000人のうち上位10人の「優秀生」に選ばれた逸材です。

寺澤COOは、「数字など目に見える結果やフィードバックが出て、なおかつそれが運要素ではなく自分でコントロールできることがモチベーションになるタイプの人間」で、いまAIビジネスを心から楽しんでいます。そして、起業について次のように語ります。

「AIに関しては、起業といっても初期投資がさほど必要なく、仮に失敗してもそんなに大きな痛手にはなりません。AIが好きで、AIの可能性を追求し、社会に役立てたいというなら、起業しないのは損だと思います」

なお、千葉CEOと寺澤COOは現在4年生で、学生と起業家の「二刀流」の生活をしています。ともに来年、東大大学院に進学する予定で、「二刀流」の挑戦を続けます。

世間で起業というと、「生きるか死ぬかの大勝負」と悲壮な覚悟で挑戦することが多いようですが、千葉CEOと寺澤COOにはそういう悲壮感はまったくありません。大好きなAIに夢中になって、その延長でビジネスに取り組んでいるという印象です。

大学発ベンチャーは着実に増加

東大だけではありません。いま、国の後押しを受けて全国の大学がベンチャー企業の育成に注力しています。その甲斐あって、大学発ベンチャーは着実に増えており、全国で3782社(2022年度)に達しています。2000年度は420社だったので、22年間で9倍という急増ぶりです。

大学発ベンチャー

なお、アメリカにおける2021年末時点の大学発ベンチャーは6144社で、日本の2倍足らずです。日本のベンチャー企業には、「起業後ずっと小粒のままで大きく成長しない」という問題点がよく指摘されますが、アメリカとの人口や経済規模からすると、こと大学発ベンチャーの「創出」段階については、かなり進展していると評価することができます。

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