内定出した途端に「蛙化現象」採用担当者の嘆き 今年の最優秀賞は?「採用川柳・短歌」入選作品

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採用アカ 実家の猫だけ 「いいね!」つく (新潟県 うさたろうさん)

公式の採用ホームページとは別に、SNSで採用活動用アカウントを開設している企業も多い。社内行事や社員の日常紹介などを頻繁に投稿することで、学生の閲覧機会を増やし、自社に興味関心を持ってもらうとともに、より身近に感じてもらおうとする思惑である。作者の企業もその1社のようだ。

ただ、閲覧数を伸ばすのは簡単なことじゃない。苦労して試行錯誤しながらいろいろなトピックを投稿しているにもかかわらず、よりによって唯一「いいね!」をつけてもらえた投稿が会社とはまったく関係のない、実家の猫についての何気ない投稿であったことにショックを受ける作者。

きっと投稿ネタに困って、苦し紛れの投稿だったのではと推測される。猫に勝るものなし。猫にはさらに活躍してもらうしかない。

内定辞退の鬼レンチャン

【佳作】をあと3作品紹介しよう。

第一志望 その上にあるのは なに志望? (静岡県 きゅーちーさん)

作者によると、面接では「第一志望です! 高校時代に職場見学した時からずっと入社を憧れていました」と力説していた学生が、内定を出したにもかかわらず、後日、内定を辞退して他社へ行ってしまったとのこと。

学生がどの企業に対しても「第一志望」と答えることは理解していながらも、ここまでストーリー立てて熱く語っていたら、「本当に第一志望」の学生だと疑わなかったことだろう。

毎年、多くの採用担当者が人間不信に陥る瞬間である。多分、「第一志望」の上には、「まじ第一志望」というのがあるのではないだろうか。

6月に 入ると辞退の 鬼レンチャン (愛知県 ひつまぶしでひまつぶしさん)

【最優秀賞】を受賞した作者が別の作品で【佳作】にも入選。選考活動を先行して早めに内定を出していたものの、6月に入り大手企業の内定出しが本格化してくると、それらの大手企業から内定を取得した学生からの内定辞退連絡が急増。

その対応に追われるとともに、長期間にわたるこれまでの採用活動の苦労が水泡に帰す無力感に苛まれる様子が、「鬼」の文字からじんわりと伝わってくる。

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