これが「お局様」を味方にする3つのコツだ 彼女たちは「やる気がない」ワケじゃない

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バブル崩壊後の最初の年、1992年入社組が、ちょうど45歳前後に差し掛かっています。厳しい就職活動をくぐって入社したメンバーです。

会社に20年以上いるベテランの彼女たち。それまでなかったインターネットが普及し環境変化の激しい仕事に直面しながら、「もっとこうしたほうがうまくいくのに……」「私ならこういうふうに提案するのに……」と職場であれこれと問題発見し、その解決方法についても言いたいことが山ほどあるはずです。

残念ながら、いまだに管理職の9割が男性というこの国では、事務職女性のこうした気づきがきちんと提案として受け入れられるチャンスが少ないのが実態です。

ベテラン社員だからこそできること、それが「育成」

筆者が女性社員の研修に行くと、管理職になることに二の足を踏む人が一定程度いらっしゃいます。理由としてはいろいろあるのですが、「昇進には今さら興味もない(考えたことがない、期待されていない)」「必要とされるスキルがあるかどうか自信がない」「自分の時間が奪われるのがイヤ」、といったものが挙げられます。

確かに、管理職になるには、マネジメントの視点や交渉力といった、一社員であるうちには不要であったことが必要になります。でも、会社での経験値があがった人たちが共通にできることがあります。それが、「若い人たちを育てる」ということなのです。

この時期だからこそ新人育成に参加してもらおう

彼女たちには、ぜひ、職場のベテラン社員として、新人育成に加わってもらいましょう。「ただでさえ忙しいのに時間を採られて面倒くさい」と言われても、そこはぜひ期待をかけて依頼してみる価値があります。

仕事の成果を期待されて嬉しくない人はいないはずです。特に、子育てを経験している女性にとっては、「部下を育てることと子育ては、おおいに共通する点がある」ということは非常にわかりやすく伝わります。日本語が通じて、上下関係の明確な会社での部下育成のほうが、まだ言葉もこちらの思いもままならない小さな子どもを育てるよりは楽かもしれません。

忙しい中、人を育てる効果はたくさんあります。たとえば、人に教えるには、まず自分がその分いつもしている仕事について見直すチャンスになります。後輩から、「それって、無駄じゃないですか?」なんて言われたくはないはず。さすが、と思われる仕事の仕方があるはずです。

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