外国人客の激減は痛いが、先行きは悲観していない--「カプリチョーザ」等の外食チェーンWDI・清水謙社長

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--外国人向け高価格業態は、いつまで厳しい状況が続くのでしょうか。

悲観はしていない。東京近郊の在日外国人向けインターナショナルスクールが3月末に行った調査によると、8割の家族が原発問題で母国に帰ったままだが、そのうち8割が、4月以降には日本へ戻りたいという意志を示しているという。

ACCJ(在日米国商工会議所)が会員向けに行った調査でも、現在5割の在日米国人が国外へ待避しているが、多くは2カ月以内に戻る意志があることがわかっている。もしこの状況が続くことになればわからないが、外国人向け高価格業態を撤退することは、今のところ考えていない。

--政府は今夏契約電力500キロワット以上の大口需要家に対し、最大使用電力の15%程度の削減を求める方向です。

約8割の店舗をショッピングセンターに出店しているが、ショッピングセンター自体が大口需要家に該当するため、我々も節電努力は必要だ。ロードサイドの独立店舗は今回の規制対象外となるため、粛々と節電を実施する。

今のところ、ショッピングセンター内の店舗で、デベロッパー側から、節電に関する具体的な要求は受けてはいない。今も自主的に間引き照明を行っているし、夏場は空調の設定温度を上げる可能性もある。常時テーブルに置くうちわを10万枚調達することも決めている。

ただ、現実的に25%削減を求められるとなると、ショッピングセンター全体を閉めて対応するしかないのではないか。3月の計画停電時には、14~16時のみ営業という中途半端な対応になった店もあったが、今夏は施設側も一斉休業という形を取ってくると思う。

--今後の事業戦略を教えてください。

「カプリチョーザ」、「ストーンバーグ」といった低価格のカジュアル業態は、消費者のニーズにあっているため、今後も増やしていく方針だ。現在25%程度の海外売上高比率も早期に40~50%へ持って行きたい。日本の飲食店に対する海外の風評被害は特に気にしていない。東北出身者を社員として積極的に採用するなどして、被災地の復興にも貢献していきたい。
(聞き手:二階堂 遼馬 =東洋経済オンライン)

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