人間ドック、医師が教える「ほぼ無意味な検査」2つ 多くの人は「通常の健康診断」で十分な場合も

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家族に脳梗塞や脳卒中で倒れた人が多く遺伝的に心配だという人、動脈硬化が進んでいる人が脳ドックを受けることは否定しません。ただ、現時点で健康上の問題がない人が健康診断と同じ感覚で受けることは、少なくとも医師の立場からはすすめられない検査です。

このようなことを書くと「やはり検査は無意味、むしろ危険なのではないか」と言う人もいるかもしれません。

知識を持っていれば必要な検査がわかる

誤解してほしくないのは、費用対効果が悪く時間や面倒が増える検査があるというだけで、まったく無意味であるということではありません。

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知識を持っていれば自分にとって必要な検査がわかりますし、不要なお金を払わなくてすみます。「医者は検査が無意味なことを知っているから健康診断を受けない」「がん検査をしない」という説は異端です。

あるとすれば多忙のあまり健康診断を受ける時間がなかったというケースでしょう。

蛇足ですが「医者の不養生」ということわざは本当です。とくに大学病院や総合病院の勤務医の生活は多忙を極めます。夜間や早朝の呼び出しも多く、落ち着いた睡眠もバランスのよい食事もなかなかとれません。

私自身は健康診断も受けますし、ワクチンも打ちます。私生活ではできるだけ7時間の睡眠をとり、野菜や果物もきちんと食べています。職業柄、人に会って話すことも多いです。要は、特別なことはせず、普通の生活で、それなりに楽しく、健康に過ごしています。

森 勇磨 産業医・内科医

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もり ゆうま / Yuuma Mori

東海高校・神戸大学医学部医学科卒業。研修後、藤田医科大学病院の救急総合内科にて数えきれないほど「病状が悪化し、後悔の念に苦しむ患者や家族」と接する中で、正しい医療情報発信に対する社会課題を痛感する。
2020年2月より「予防医学ch/医師監修」をスタート。株式会社リコーの専属産業医として予防医学の実践を経験後、独立。Preventive Room株式会社を立ち上げ書籍やYouTubeでの情報発信のほかオンライン診療に完全対応した新時代のクリニック「ウチカラクリニック」を開設。著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など。

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