「子どもがいない夫婦」人に言えないつらさの中身 「いる・いない」で分けられがちな社会の生きづらさ(後編)

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「言っちゃいけない」とされてきた気持ちを解放する

――本当ですね。最後に、世の中にどうなってほしいって思われますか?

誰もが堂々と、自分らしく生きられる社会が、やっぱり一番理想だなと思います。いまはライフコースが本当にたくさんあって、どれを選択したっていいし、どの選択肢にも優劣はない。ほかの人の人生に自分の価値観を押し付けちゃいけないよ、ということを、もっとみんなが知ってくれるといいですよね。だから、こういう記事を発信することも、とても重要だと思います。

(画像:『まんが 子どものいない私たちの生き方: おひとりさまでも、結婚してても。』より)

――あとは、私たち自身が変わっていくことも必要ですね。

そうですね、ただ、悩んでいる人は自分で解消することがなかなか難しいんです。一人で悶々と考えていても、どんどん落ち込んでしまうので、まずは思いを吐き出すのがすごく大事だと思います。誰にでも話せることでもないので、安心して話せる場とか、この人なら安心して話せる、というところに自分の思いを吐き出すこと。

まんが 子どものいない私たちの生き方: おひとりさまでも、結婚してても。
『まんが 子どものいない私たちの生き方: おひとりさまでも、結婚してても。』(小学館)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

その次に、「同じ立場の人の話を聞く」というのも、すごく重要ですね。「こんなふうに思っているのは、自分だけじゃなかったんだ」とわかって、徐々に自分と向き合えるようになったり、ほかの人の価値観に触れることで、自分のなかで凝り固まっていた部分に気付けたりもする。

去年『母親になって後悔してる』という本が注目されましたが、マダネでも話題になりました。母親になると、世間から「母親」というラベルを貼られて、いろんなものを求められる。そういうふうになれない自分はおかしいのかな、って悩む人もいる。

――子どもが欲しくない人たちの悩みとも、重なりますね。

そうなんです。立場は違うけれど、根底で縛られている部分は同じなんですよね。そういう、いままで「言っちゃいけない」とされてきた気持ちなどを、ちょっとずつ解放していけるようになってきたのはいいことですね。

この記事の前編:「子どもがいない人生」に苦悩する女性たちの本音
大塚 玲子 ノンフィクションライター

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おおつか れいこ / Reiko Otsuka

主なテーマは「いろんな形の家族」と「PTA(学校と保護者)」。著書は当連載「おとなたちには、わからない。」を元にまとめた『ルポ 定形外家族』(SB新書)のほか、『PTAでもPTAでなくてもいいんだけど、保護者と学校がこれから何をしたらいいか考えた』(教育開発研究所)『さよなら、理不尽PTA!』(辰巳出版)『オトナ婚です、わたしたち』(太郎次郎社エディタス)『PTAをけっこうラクにたのしくする本』(同)など。テレビ、ラジオ出演、講演多数。HP

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