超一流は「他人の評価」なんて全く気にしない ACミラン本田圭佑に学ぶ「苦境から立ち直る力」

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そう考えると、結果が出ないときの考え方も変わってきそうです。他人からの厳しい評価やバッシングの中でも、どうやってそれを切り抜けるかではなく、そもそも「ピンチ」「チャンス」などとは考えず、課題に気づき、それを克服できるようにやるだけ。ピンチのときに「もし自分にあれが備わっていればなぁ」とないものを求めて思考停止してしまうのは、成長の機会を自ら捨ててしまうことになるのです。

本田選手はプライベートのトレーナーを日本から連れて行き、つねにベストの状態を保つことに重きを置いています。日本選手は、常にベストなコンディションを維持できて初めて強靭な外国人と戦えるということを、理解しているのでしょう。

これも経験から見いだしたやり方なのかもしれません。

ACミランのような高いレベルの選手が揃っているチームであっても、故障者やケガ人になってしまえば、ただの選手でしかありません。大切なのは、合同練習の前後にストレッチングや補強トレーニングを地道に行う。ケガをしたときは少しでも早く治るように主体的にケガと向き合う。それができるかどうかです。

チームのトレーナーに頼らず、専属トレーナーを持つことが一般的ではないヨーロッパのサッカー界で、本田選手が早くから自分の身体をベストに保つことの大切さを理解しているところは、一流といえるでしょう。

信じなければ、そこでゲームオーバー

長くサッカーをやっていればケガもするし、思うようにいかないこともあります。監督と合わないことだってあります。そんなときにしっかりと身体と精神をコントロールし、成功への道を自ら作り、「成功への体験」に変えるのです。

サッカー選手に限らず、ビジネスマンも、負の経験の中で何を持ち帰れるかです。どんな環境でも、現状を打開するチャンスはいつかやってくると信じなければやっていられませんし、そう信じなければ、そこでゲームオーバーです。

人は、調子のいいときは自信満々で仕事ができるものですが、思うような仕事をもらえないと、途端にやる気を失います。そして、簡単な仕事がおろそかになってしまいます。これが、結果的に自らチャンスを遠避けてしまうのです。

冷静に内面を見つめれば、逃げている自分を知っている、「もうひとりの自分」の存在に気がつくはずです。もうひとりの自分にはどんなにうまい言い訳を使っても、ばれてしまいます。

本当に全力で仕事をしていれば、結果を自分なりに受け入れ、次のステップに進むしかないことがすべてだとわかるものです。

結果が出なくても、踏ん張って一生懸命に仕事をしている自分をもうひとりの自分が評価してくれれば、それで十分ではないでしょうか。反対に自分自身が良い評価をしていないのに、他人から評価される場合は、最終的に崩れるものです。 

遠藤 友則 ACミラン メディカル・トレーナー

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えんどう とものり / Endo Tomonori

ACミラン メディカル・トレーナー。日本体育協会公認アスレティックトレーナー。はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師。

1961年静岡県生まれ。20歳のときに膝を怪我したことを機にトレーナーの道に進む。1991年より清水エスパルスのチーフトレーナーとして勤務。1999年に元イタリア代表のマッサーロに招かれて、イタリアに渡るとACミランのトレーナーとして勤務する。
日本人がイタリアサッカー界で働くこと自体異例といわれる中、16年間、監督・メディカルスタッフが代わってもクラブと契約更新ができるほど、選手からの絶大な信頼がある。

公式ブログ
http://tomendo0001.blogspot.jp/

鍋島整形外科
http://www.health-sports.or.jp/

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