崖っぷち芸人TAIGAの人生が変わる「と思った」話 一世一代の大舞台「R-1決勝」の思わぬ結末

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リハが終わるとRGさんが「本番まで時間あるから、お台場の大江戸温泉に行かないか」と誘ってくれた。スギちゃんは別の仕事があったから、俺とヒューマンと3人で大江戸温泉に向かった。温泉に入りながら俺は、「今日で人生が変わる」としみじみ感じていた。

人生を変えるはずの決勝戦は重苦しい立ち上がりだった。雨上がり決死隊のおふたりの司会で幕を開けるが、芸人はもとよりお客さんも緊張していて厳しい雰囲気だった。俺はセット裏で「俺以外の芸人はウケないでくれ」と願っていた。

いざ本番を迎えてみると…

俺の祈り(呪い)が通じたのか、トップのRGさんが爆発的にウケてる感じはしなかった。次のヒューマン中村も、さほどウケなかった。俺の祈り(呪い)はなかなか効くらしい。

だが、迎えた三番手の俺が出ていっても、準決勝ほどの爆発的なウケはなかった。俺はステージからはけると呆然としていた。自分まで呪ってどうする。最後に出たスギちゃんは、すでにお茶の間の人気者だったので、お客さんの緊張もほぐれたのがわかった。

審査員の桂文枝師匠が俺に2票入れてくれたが、喜べたのは一瞬だった。その他の審査員からは1票も入らず、Aブロック敗退が決まった。やっとたどり着いた夢の舞台で早々に敗退。そのあとの記憶はほとんどない。

R-1ぐらんぷり決勝戦のあとのことを話そうと思う。ブロック敗退でも、仕事は増えると思っていた。お笑い後発事務所ではあるが、初のファイナリストとして、いよいよ俺を売ろうと力を入れてくれるに違いない。そんな期待に胸を膨らませていた。

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