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崖っぷち芸人TAIGAの人生が変わる「と思った」話 一世一代の大舞台「R-1決勝」の思わぬ結末

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決勝後に事務所に顔を出したときは、英雄が凱旋するくらいの気分だった。だが、事務所の面々の反応は、俺の思っていたものとはまったく違った。のっけから「あれじゃあダメだな〜」とダメ出しされたのだ。俺は目の前が文字通り真っ暗になった気分だった。

実際、俺の仕事はまったく増えず、事務所が推していたコンビは深夜番組のレギュラーが決まった。相撲芸人あかつのように、事務所を辞めてしまう芸人もちらほら現れた。もしかすると、神様はこれ以上の結果を出せということか。俺は決勝に行けたことに満足して、実は3度目のチャンスも逃してしまったのではないか。

決勝まで行ったことを誰かに認めてほしかった

そんな悶々とした思いで過ごしていた矢先、家が近所ということもあり、昔からお世話になっていた先輩、飛石連休の藤井さんから結婚式の招待を受けた。結婚相手は、これまた昔から仲の良かった、モノマネ芸人SHINOBUちゃんだった。

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芸人がたくさん集まった結婚式は楽しかった。二次会には、昔からお世話になり目をかけてくれていたブッチャーブラザーズさんもいるのが見えた。

「ご無沙汰しています」と挨拶すると、ぶっちゃあさんは俺の手をしっかりと握って、こう声をかけてくれた。

「決勝おめでとう!俺らがやってた『ビタミン寄席』に出ていたメンバーが活躍してるのはうれしかったわ。仕事が増えるといいな!」

俺は不意に目頭が熱くなった。そして気がついた、ああ、俺は誰かに褒められたかったんだ。決勝で結果を残せなかったことではなく、決勝まで行ったことを誰かに認めてほしかった。そしてそれを糧に、もっともっと頑張りたかったんだ。

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