崖っぷち芸人TAIGAの人生が変わる「と思った」話 一世一代の大舞台「R-1決勝」の思わぬ結末
結果発表は翌日だったが、受かった人にだけR-1の密着カメラが来るらしい。当時よく飲みに連れていってくれたマネージャーと飲みに行くことになった。22時を過ぎた。残り2時間で今日が終わる。さらにグラスを重ねると酔いも回り、気がつけば時刻は23時になろうとしていた。
あれだけ頑張ったけど決勝には行けなかったのか。これだけやってダメだったのだから、もう辞めどきなのかもしれない。マネージャーが「結果はしょうがないよ。また頑張ろう」と励ましてくれたと同時に、誰かが俺の左肩をポンポンと叩く。カメラを回しているスタッフの姿が目に飛び込む。
「決勝進出が決まりましたよ、おめでとうございます!」
これまでのことが走馬灯のように蘇り、俺は人目をはばからず号泣してしまった。すぐ若林に電話して決勝進出を伝える。その日のことは、それからあまり覚えてない。だが、これで人生が変わる、そんな気がした素晴らしい夜だった。
結局、何ひとつ変わらなかった
決勝当日までの1週間はまるで夢のようだった。ライブに行くと芸人仲間からは「決勝おめでとう!」とヒーロー扱いされる。準決勝までは「これでダメなら本望!」という気持ちで強気に攻めていた俺だったが、いざ決勝直前になると、弱気になっていたのも事実だ。「トップの出番だったら嫌だなぁ。あの人と同じブロックは嫌だなぁ」
決勝当日のリハは早い時間からだったので、本番の19時までかなり時間が空いた。俺が入ったAブロックは、レイザーラモンRGさん、ヒューマン中村、スギちゃん、そして俺というメンバーだ。
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