値段の「安い薬と高い薬」治りに影響するその違い 「ブランド名や薬の値段」が薬効を強める理由

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有名メーカーの高価な薬のほうがよく効く、この信念が実は正しい、ということに驚くかもしれません。しかし、皮肉なことに、私たちがそのように信じているからこそ、高い薬はより効き目があるのです。そして、そんな思い込みこそが、より大きな症状の緩和を生み出します。

このようなプラセボ(偽薬)効果を利用した医薬品や治療法は、胸痛、関節炎、花粉症、頭痛、潰瘍、高血圧、術後の痛み、船酔い、風邪の症状など、ほぼすべての人体器官や多くの病気に対して、実際に大きく持続性が高い効果を生み出すことが可能です。

薬に対する期待がその効果にどのような影響を与えるかについて説明します。

ある研究は、頻繁に頭痛がするという人に「ヌロフェン(商品名)」または「ジェネリック医薬品のイブプロフェン」とラベルを貼った錠剤を配布しました。実際には、その錠剤の半分がイブプロフェン、半分がプラセボでした。

ブランド名のついた薬を飲んだら「痛みが緩和」?

結果はどうだったでしょう? ブランド名のついたプラセボをもらった人は、ジェネリック医薬品名のついたまったく同じ錠剤をもらった人よりも頭痛が緩和したことを報告しました。

この研究は、ラベルが重要であることを示す強力な証拠を提示しています。ブランド名のついた薬を飲んだ研究参加者は、本物のイブプロフェンかプラセボかにかかわらず、同程度の痛みの緩和を報告しました。

しかし、ジェネリック医薬品の場合は、プラセボよりも実際の薬をもらった人のほうが、より大きな痛みの緩和を報告しました。薬が良く効くだろう、という私たちの期待が、痛みに対する体験に現実的な効果をもたらすのです。

ブランド名だけではなく、薬の値段が高いと感じることが、高品質を連想させて、薬効を強めることもわかっています。

新しく認可された鎮痛剤が1回あたり2.5ドルもすると伝えられた人は、その薬が値下げされて10セントしかコストが発生しないと伝えられた人よりも痛みが和らいだ、という結果が得られています。この研究では、錠剤が使用されましたが、薬効成分は何も含まれていませんでした。

さて、ここでとても重要な問いがあります。高価だと信じている薬には高い効果がある、というこの研究結果が、実験室内の実験だけではなく、現実の世界においても当てはまるのかどうかということです。この答えは「イエス」です。この疑問については、さまざまな症状の治療に関するあらゆる種類の薬剤をテストした研究で実証されてきました。

例えば、パーキンソン病の患者が、1回あたり1500ドルもする薬物(実際は生理食塩水)を注射されたと信じていた場合は、1回あたり100ドルしかしない注射を受けたと信じていた人と比べると2倍以上のプラセボ効果があったことが報告されています。

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