薬の保険適用で変わる「肥満は自己責任」の考え方 運動や食事でもやせられない「病気」という認識

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日本でもついに始まった薬による肥満治療。専門家が「肥満治療薬」について解説します(写真:freeangle/PIXTA)

11月15日、厚生労働省はデンマークのノボノルディスク社(以下、ノボ社)が開発したセマグルチド(商品名:ウゴービ)を肥満治療薬として薬価収載を了承した。毎週1回皮下注射する薬で、11月22日から保険適用となった。多くのメディアが報じたため、ご存じの方も多いだろう。

世間では「ダイエット薬」として関心を集め、すでに医薬品卸からは品切れが報告されている。本稿では、肥満治療薬の現状について解説したい。

一升瓶2本半の重さが減る

肥満治療薬が注目を集めたきっかけは、セマグルチドを用いた糖尿病の研究に参加した患者の多くで、体重減少が確認されたからだ。

2021年3月、権威あるイギリスの『ランセット』誌に掲載された国際共同研究には、Body Mass Index(BMI)が27(キログラム/平方メートル、以下略)以上の2型糖尿病患者が登録されたが、セマグルチドを投与された群では、体重が平均で9.6%減っていた。

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