お断りされる残念な「高学歴・収入」男性達の実態 食事・支払・会話でげんなり、女性の言い分とは

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だが、本人は、「風邪をひいてしまって。でも、病院で検査をしたらコロナではなかったので、安心してください」と、平然としていた。一方、さとえは見合いの間、咳と飛び散るパンくずが気になり、話には注力できずに一刻も早く見合いを終えることばかりを考えていた。

「本当に風邪だったかもしれませんが、あんなに人前で咳をするなら、お見合いは前もって延期していただきたかったです」

筆者に一部始終を伝えてきて、「交際は辞退でお願いします」というさとえの声が、憤っていた。この気の利かなさ、無神経さでは、どんなに男性の経歴がよくても、お見合い後に交際になることは難しいだろう。

割り勘でお釣りを渡さない

みわこ(39歳、仮名)が、まさあき(44歳、仮名)と先日お見合いしたときのことだ。老舗の落ち着いた喫茶店でのお見合いだったのだが、終えて連絡してきたみわこが言った。

「お返事は少し考えたいので、明日でもいいですか? ちょっと悩んでいます」

こう言いながらも、翌日には交際希望を出してきたので、何を悩んでいたのか聞いた。それは、お見合いを終えて会計でのできごとだったという。見合いは終始和やかムードで進み、1時間ほどで終わった。

「そろそろ行きましょうか」と、まさあきが言って席を立った。伝票がテーブルの上に置かれたままだったので、みわこはそれを取って自分のアイスティーの値段を確認すると、税込み957円だったので、財布から千円札を出して伝票と一緒に、「これ、私のぶんです」と差し出した。

すると、まさあきは「あ、はい」と、それを受け取った。

結婚相談所のお見合いでは、男性が女性のお茶代を支払うのは、暗黙の了解事項だ。まれに割り勘にする男性がいるのだが、そうした男性は見合い後に大抵、“お断り”される。

ただ、みわこは「お見合いの度にお茶代を男性に負担させるのは申し訳ない」と思っていた。なので、支払いのときには「私のお茶代は、どうしたらよいですか?」と、必ず聞くようにしていた。すると、これまでの男性たちは、「あ、大丈夫ですよ」と言って、ご馳走してくれた。

今回はテーブルに伝票を忘れ、それを手渡すときに自分のお茶代としての1000円札を手渡したから、その流れで受け取ってしまったのだろう。

なかには「お茶代は、大丈夫ですよ」と言って、1000円をこちらに戻してくれる男性もいるだろうが、自分が飲んだお茶代は払って当然のこと。そんなことを考えながら、まさあきのうしろについていった。

レジに行くと、まさあきは自分の財布から1000円札を出し、みわこの1000円と合わせて2000円を支払った。すると数十円のお釣りが来たのだが、そのお釣りをすべて自分の財布に入れてしまった。

みわこは、私に言った。

「数十円の話なので、そんなことにこだわる自分がケチくさいと思うんですけど、私のぶんのお釣りまで自分のお財布に入れてしまったことが、なんだかモヤモヤしたんです」

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