そして、続けた。「ただ私も39歳ですし、そんな細かいことにこだわっているから結婚できないのかなって。経歴も年収もいい方だから、お断りするのはもったいないし、交際してみようと思います」
ところが、ファーストデートを終えて、「交際終了でお願いします」と連絡を入れてきた。お断りの理由は、やっぱりお金だった。
2回目はランチデートだったという。都内のカジュアルイタリアンのお店に行ったようだ。ランチが税込みで1420円。食事が終わると、今回はまさあきが伝票を持って立ち上がった。
「僕はカードで払います」というので、「じゃあ、これ私のぶんです」と1500円を渡した。
すると、「あ、はい」と受け取り、自分の財布の中に入れてしまった。またもやお釣りがなかった。
「本当に数十円のことを気にしている自分が、せこいと思います」とみわこは言う。
「ただ、前回のお釣りを合わせたら、100円以上の金額になるし、このままお付き合いして行っても、お茶や食事をするたびに、お釣りが気になってしまう(苦笑)。彼とデートをするときは、小銭を用意して値段通りきっちり渡そうかとも思いましが、そんなつまらないことが気になるなら、もうお付き合いをやめたほうがいいなって」
「デート代は男性が支払って当然」と思っている女性が多いなか、みわこは「割り勘でもいい」と思っている少数派だ。今回のお見合いは確かに数十円の話なのだが、毎回お釣りを返さない男性は、女性への配慮がなさすぎるだろう。
そもそも、“ご馳走をする”というのは、相手をもてなすという気持ちの表れだ。女性をもてなしてあげようという気持ちのない男性は、婚活市場ではまずは選ばれない。
“まだ結婚が決まったわけではないし、同等な立場で付き合いたい”と思っているのだとしたら、割り勘にしてもいいが、お釣りはきっちりと渡したほうがいい。
スカイラウンジでお見合い
きよみ(41歳、仮名)がお見合いしたのは、大学院卒で、大手の金融機関に勤めている高年収のしんたろう(47歳、仮名)だった。しんたろうの相談室の仲人が気を利かせて、都内ホテルのスカイラウンジ席をあらかじめ2人の名前で予約しておいてくれた。
当日スカイラウンジに行くと、ウェイターが席まで案内してくれた。すでにしんたろうは来ていたのだが、テーブルを挟んで奧の席に座っていた。
ティールームやレストランなどでは、奥の席は女性に譲るのが一般的なマナーだ。ほかにもお見合い客を含めて男女のカップルが何組もいたのだが、すべて女性が奥の席に座っていた。
きよみの姿を見たら、席を立って奥を譲るのかと思ったら、しんたろうは動こうとせず座ったままだった。
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