日本人が知らない「インフィニティサウナ」の魅力 これが「自然」「五感」つながる「"究極"サウナ」だ

✎ 1〜 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 最新
拡大
縮小

近年は新たなサウナブームのおかげで、自然派のアウトドアサウナが増えてきた。

たとえば、青森県の「十和田サウナ」。十和田湖のほとりのキャンプ場にあり、バレル(樽)形状のサウナは暗く穏やかである。

薪の燃えるパチパチという音以外には、静寂が支配している。

ストーブにロウリュ水をかけると、お茶の香りがサ室に立ちこめる。サ室に空けられた小窓からは、湖畔の緑とその向こうに大きな十和田湖が垣間見える

すっかり蒸し上げられてサ室から外に出れば、わずか10メートルほど先に十和田の水がある。冷たい湖に身体を浸し、木材をロープで組み立てたフィンランド製のチェアに身体を横たえると、全身が緑に染まっていく。

サ室の中から湖での水浴び、外気浴にいたるまでの動線が、じつになめらかである。1つひとつの行動のすべてが、自然と一体に感じられるように設計されているのだ。

「東北の深遠な森の中にいたら、気がついたらサウナを楽しんでいた」というぐらいに、「自然」と「サウナ」がシームレスである。

こういう体験が、まさに「インフィニティサウナ」なのである。

「古い小さな校舎」が「サウナ室」に生まれ変わる

新潟県の出雲崎町「In The Earth(イン・ジ・アース)」というサウナがある。

日本海に沿って何もない海岸の道を走り、「本当に、こんなところにサウナがあるのか?」と思わせるような小径を曲がってわずかに登ると、2階建ての古い小さな校舎がある。かつて臨海学校に使われていたという。

校舎の前に、アースバック工法で建てられたサウナ室がある。丸みを帯びて、まるでおとぎ話に出てくる「ホビットの家」のようなたたずまい

中央に電気ストーブが設置され、サウナストーンに水をかけると狭い室内は蒸気が立ちこめるが、しっくいでできた壁はまったく熱さを感じない。

ひんやりとした壁に身体をもたせかけながら、熱い蒸気を浴びる対比が最高というしかない。

次ページ水風呂をくぐり抜けたあとの「一体感」
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT