フィンランドの「五感のサウナ」は、日本の昭和風な伝統的サウナとはだいぶ異なっている。
日本の昭和的なサウナは、「テレビを見ながら時間の経過をひたすら我慢し、熱さに耐えること」が楽しみである。
しかし「五感のサウナ」は、サ室にいるときでも全身の感覚をフルに開くことができる。
「五感のサウナ」は登山の感覚にも、とても似ている
わたしは長く山に登っているベテラン登山者だが、「五感のサウナ」は登山の感覚にも、とても似ていると感じる。
快晴の高峰の稜線でも、しとしとと雨の降る森林の山道でも、シンと静まり帰った降る雪の中を歩くときでも、登山者はつねに全身で「山」を感じている。登山は五感のすべてをフルに駆使した遊びなのである。
そう考えれば、「登山」と「サウナ」は、とても相性がいいはずだ。登山をして五感で自然を感じ、その後にサウナに入って、再び五感で感じる。五感と五感の二乗なのだから、気持ちよくないはずがない。
『究極の「サウナフルネス」世界最高の教科書』にも、「サウナの前に森林浴をしよう」というアドバイスがある。サウナに入る前に、森の中を20分ぐらいも何も考えずに歩く。嗅覚に意識を集中し、苔や針葉樹や白樺の香りを楽しむのだという。
これはつまり、自然と自分との「回路」をオープンにしておこうということだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら