会社で地獄を見た「36歳・ギフテッド男性」の提言 優秀なのではなく特殊なのだと知ってもらいたい

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現在、東京大学大学院のギフテッド創成寄付講座で、当事者として研究協力をしている吉沢さん。自分と同じように苦しむ人を減らすため、第三者が声をかけやすいよう名前と顔を出すことを選んだ(撮影:高橋奈緒/朝日新聞出版写真映像部)
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世間では「ギフテッド」と呼ばれることもある、才能を持つ子どもたち。文科省がその支援のために2023年度予算案で8000万円を計上するなど、日本でも注目を集めるようになってきていますが、突き抜けた才能を持つ一方で、IQの高さや並外れた知能の発達ゆえに問題を抱えるケースも少なくありません。
なぜ彼らは困難を抱えるのか? そして、なぜ教育はその才能を伸ばせていないのか? 『ギフテッドの光と影 知能が高すぎて生きづらい人たち』より一部抜粋・再構成してお届けします。(前編はこちら

能力ゆえの悩み、初めて肯定された

人間関係に苦しみ、3社目の会社に転職。人事データの分析を担った。自身の存在意義を探し求めるため、まっすぐ自分の道を進んで何が起きるか見届けようとした。

上司が吉沢さんの考えをよく思っていないからなのか、すでに経営層まで承認を得た企画を進めようとすると、上司から計画を変更するよう圧力をかけられた。自分の成果を横取りされたこともあった。多様性と公正をうたう会社の理念に従って、「人として間違っている」と感じた行動には異議を主張し会社にも訴えた。だが、「あなたは間違っていないし、周囲に問題があるのはわかるが、対応するこちらの立場と労力も考えてほしい、うまくやってくれ」と突き放され、状況は変わらなかった。

別の同僚からは「私は静かに業務をしたいので、あなたが上司や同僚と衝突するのは迷惑だ。私は『サラリーマン』ができる」とも言われた。面談の内容がねじ曲げられ風評を流されることもあった。匿名で行っていた発信活動を同僚に発見され、アウティングの被害にも遭った。

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