日本語学校の非常勤講師(パート講師)の場合、1日4時間の授業を受け持つのが一般的。週に何日、何曜日に入るかは、所属する学校にもよるが、ある程度自分の都合に合わせることができる。実際、「子どもに手がかかるうちは週2回、子どもが中学校に入ったら週4回」など、ライフステージに合わせて働き方を調整している日本語教師も多い。それが「子育てしながらでも続けやすい」とされる理由だ。
最近の養成コースの受講生の中には、高学歴で大手企業での勤務経験がある主婦も増えているという。インターカルト日本語学校の加藤早苗校長はこう分析する。「子育てと両立しやすいうえ、ほかのパートの仕事よりも専門性が求められるところに、プライドややりがいを感じる主婦が多いのではないか」。
今こそチャンス!?教師不足で売り手市場
日本語教師になるためのポピュラーなルートが養成講座に通うことだ。日本語学校や資格系スクールで開講されており、日本語教授法や文法、音声などの理論科目と実際に教壇に立つための実技科目、計420時間を修了すると、日本語学校などへの応募条件を満たす「有資格者」とみなされる。養成講座の期間は半年から1年というところが多く、費用は50万~60万円が一般的だ。
ほかに、大学・大学院での日本語教育主専攻・副専攻を修了するルート、日本語教育学会による「日本語教育能力検定試験」に合格するルートもある。
かつては、修了後もなかなか就職先が決まらない時期もあったが、今は売り手市場だという。インターカルト日本語学校の養成講座担当者は「求人票の数は2年前に比べると1.5倍くらいに増えている。特にベトナムやネパールなど東南アジアからの留学生が増えていて、全体として日本語教師が足りていない状況。他校から『修了生を紹介してくれないか』と問い合わせをもらうことも多い。この傾向はしばらく続きそうだ」と話す。
日本学生支援機構が行った調査によると、国内の日本語教育機関で学ぶ日本語学習者は4万4970人。前年比で37.8%も増えている(2014年)。
ここで、気になるのは日本語教師の給与水準だが、実は決して恵まれているとはいえない状況だ。
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