三菱自動車の中国合弁会社、広汽三菱は2023年6月から操業を停止、7月初旬に人員整理に着手した。7月12日付の総経理(社長に相当)、執行副総経理(副社長に相当)の連名による社内向け通知書で明らかになった。同日付で整理対象従業員向けの補償案も提示。操業を一時停止後、遅れていたEV(電気自動車)への生産シフトを進めることで再建を図る方針だ。
広汽三菱は2012年5月に創業、中国国有自動車大手の広州汽車集団(広汽集団)が50%、三菱自動車が30%、三菱商事が20%を出資している。
広汽三菱も他の外資自動車メーカーの中国合弁と同様、中国市場で急激に進むEVシフトに乗り遅れ。収益が悪化していた。現時点で同社が販売するのはSUV4モデルで、うち3モデルがガソリンエンジン車だ。
2022年にSUVタイプのEV「エアトレック」を投入したが、全体の販売落ち込みを埋めるには至っていない。広汽集団の発表によると、2022年通年の広汽三菱の販売台数は3万3600台でその前の年からほぼ半減。2023年1~3月期も前年同期比58%減という大幅な落ち込みを記録、わずか3969台にとどまった。
長沙工場、広汽グループ内のEVメーカーが継承か
広汽三菱の2022年通期の売上高は42億5600万元(約824億円)で、19億4000万元(約376億円)の純損失を記録。広汽集団の年次報告書によると2022年12月31日時点での総負債は59億5400万元(約1153億円)となり、純資産は総資産(59億6100万元、約1154億円)のわずか1%未満にまで落ち込んでいた。
広汽集団傘下のもう一つの合弁会社である広汽フィアット・クライスラー(GAC FCA)は2022年7月に合弁解消を発表。その広州工場は広汽集団傘下でEV専門の広汽埃安新能源汽車(広汽アイオン)に委譲された。財新記者の取材によると、広汽三菱の長沙工場も広汽アイオンに引き継がれ、生産ラインの改造を経て、EVを生産する予定という。
(財新記者:戚展寧)
原文の配信は7月13日
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