中国の自動車輸出の急拡大が続いている。中国汽車工業協会が7月11日に発表したデータによれば、2023年上半期(1月~6月)の輸出台数は前年同期比75.7%増の214万台に達した。そのうち「新エネルギー車」の輸出台数は53万4000台と、前年同期の2.6倍に増加した。
(訳注:新エネルギー車は中国独自の定義で、電気自動車[EV]、燃料電池車[FCV]、プラグインハイブリッド車[PHV]の3種類を指す。通常のハイブリッド車[HV]は含まれない)
メーカー別で最も輸出を伸ばしたのは、中国のEV最大手の比亜迪(BYD)だ。同社は上半期に8万1000台を輸出し、前年同期の11.6倍という急成長を達成した。
「BYDの輸出は2022年上半期は少なく、下半期から拡大に転じた。2023年上半期の(前年同期比の)成長率が極めて高いのはそのためだ」。中国汽車工業協会の副総工程師を務める許海東氏は、背景をそう解説する。
メーカー別の販売状況に明暗
一方、上半期の中国国内の自動車販売台数は1323万9000台と、前年同期比9.8%の増加を記録した。「中国政府による(自動車取得税の減免措置延長などの)販売促進政策やメーカーの営業努力、新型車の大量投入などの相乗効果で、国内需要が徐々に回復した」と、許氏は分析する。
そんななか、国内市場では新エネルギー車の存在感がますます高まっている。上半期の新エネルギー車の販売台数は374万7000台と、前年同期比44.1%増加。自動車の総販売台数に占める比率は28.3%と、同6.7ポイント上昇した。
とはいえ、メーカー別の新エネルギー車の販売状況は明暗が分かれている。例えば国有自動車最大手の上海汽車集団は、上半期の新エネルギー車の販売台数が前年同期比7.1%減少。同じく国有大手の東風汽車集団も、同3.9%の減少に終わった。
一方、国有大手の広州汽車集団は、上半期の新エネルギー車の販売台数を前年同期の2.1倍に急拡大させた。新興EVメーカーの理想汽車は、上半期の販売台数が前年同期の2.13倍の13万9000台に達し、新エネルギー車のメーカー別の販売ランキングで第8位に食い込んだ。
(財新記者:戚展寧)
※原文の配信は7月11日
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