急拡大してきた中国の自動車輸出に変調の兆しが現れた。中国汽車工業協会が1月13日発表したデータによれば、2024年の中国の自動車輸出台数は585万9000台と前年比19.3%増加。輸出台数が日本を抜いて世界一になった2023年(57.9%増)に比べて、伸び率が38.6ポイント低下した。
2024年の輸出拡大を牽引したのは、ガソリンや軽油を燃料とするエンジン車である。ロシア、メキシコ、アラブ首長国連邦、サウジアラビアなどでの販売好調に支えられ、エンジン車の輸出台数は前年比23.5%増の457万4000台に達した。
(訳注:日本の自動車輸出台数は2024年1月から11月までの累計で前年同期比4.3%減の約381万7500台にとどまっており、通年でも中国が世界一を維持したとみられる)
EUの追加関税が痛手に
エンジン車とは対照的に、EV(電気自動車)とPHV(プラグインハイブリッド車)の輸出台数は合計128万4000台と前年比6.7%の増加にとどまり、伸び率は2023年(77.6%増)に比べて70.9ポイントも急落した。
そのうちEVの輸出台数は98万7000台と、前年比10.4%の減少を記録。一方、PHVは29万7000台と同190%増加し、明暗が分かれた。
EVの輸出台数がにわかに減少に転じたのは、欧州連合(EU)の反補助金調査の影響が大きい。EUは2024年7月から中国製EVに対する追加関税の暫定適用を開始し、10月から正式適用に移行した。
業界団体の全国乗用車市場信息聯席会のデータによれば、2024年1月から11月までの期間に中国からEUに輸出されたEVは53万2000台と、前年同期比6%減少。11月単月の輸出台数はわずか2万5000台と、前年同月比67%も落ち込んだ。
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