中国EV最大手BYD、1~6月期最終益3倍増の背景 値下げ競争下でもテスラ尻目に利益率上昇

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BYDの好業績を支えた小型セダン「秦」シリーズのPHV(同社ウェブサイトより)

中国のEV(電気自動車)最大手の比亜迪(BYD)は8月28日、2023年1~6月期決算を発表。売上高は前年同期比73%増の2601億2000万元(約5兆2556億円)に、最終利益は109億5000万元(約2212億円)となり、同3倍超の大幅増益を達成した。

自動車および電池事業、スマートフォンの受託生産事業という2本柱のうち、自動車関連事業の伸びが大幅増収増益に寄与した。

中国汽車工業協会の統計によれば、この1~6月期のBYDの自動車販売台数は前年同期比96%増の120万台超。BYDの中国国内における新エネルギー車市場でのシェアは2022年末時点より6.5ポイント高い33.5%となり、首位の座をさらに確固たるものにした。

(訳注:新エネルギー車は中国独自の定義で、EV、プラグインハイブリッド車[PHV]、燃料電池車[FCV]の3種類を指す。通常のハイブリッド車[HV]は含まれない)

自動車事業利益率4ポイント強上昇

1~6月期の自動車事業の売上高は2088億2000万元(約4兆2191億円)と前年同期の1.9倍強に膨らみ、同事業の利益率は同4.4ポイント高い20.7%に達した。競合するアメリカのテスラの利益率は頻繁な値下げなどにより、2023年1~3月期は19.3%、同4~6月期には18.2%へと低下している。

2023年初旬以降、BYDは複数のモデルを対象に相次ぐ値下げに踏み切った。2月には(マイナーチェンジにより価格を抑えた)新型PHV「秦PLUS DM-i 冠軍版」を発売、中国国内のPHVでは初めて10万元(約202万円)を切る希望価格を設定した。同月の秦シリーズの販売台数は3万台超と前月の約2倍を記録、3月から6月までの月間平均販売台数は4万台を超えた。

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