中国EV最大手BYD、1~6月期最終益3倍増の背景 値下げ競争下でもテスラ尻目に利益率上昇

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現在、BYDの主力製品には小型セダン「秦」、中型セダン「漢」、中大型SUV「唐」、小型SUV「宋」など中国歴代王朝の名を冠する「王朝シリーズ」と、海洋動物にちなんだ車名を持つ「海洋シリーズ」がある。

このほか、BYDが独メルセデスベンツとの合弁で作る高級EV「騰勢(デンツァ」やハイエンドブランド「仰望(ヤンワン)」「方程豹」などの子会社ブランドでも商品展開している。そのなかで収益率が比較的高いのは「騰勢」で売れ行きは好調だ。華泰証券の調査レポートによれば、2023年4~6月期のBYDの自動車事業の1台当たり利益は約8200元(約16万5677円)と直前の四半期に比べ26%増加した。

中国の新エネルギー車シェア首位に立ったBYDの本社(中国広東省深圳市、同社ウェブサイトより)

BYDの生産販売速報によれば、2023年7月までの7カ月間で、BYDが販売した新エネルギー車は前年同期より9割近く増加、業界平均の2倍を超える伸び率を記録した。中でもPHV車の販売台数は前年同期比91%増加しており、伸び率はEVの85%を上回った。

輸出台数、2022年通年を上回る

海外ではBYDはすでに日本、ドイツ、オーストラリア、ブラジルなど50を超える国・地域でクルマを販売している。中国汽車工業協会のデータによれば、1〜6月期のBYDの自動車輸出台数は8万1000台に達し、2022年通年の輸出台数を上回った。また一部の海外市場では現地生産の準備にも取り組んでいる。

本記事は「財新」の提供記事です

2022年9月、BYDはタイで初の海外乗用車工場の建設に着手、2024年に生産を開始する予定だ。2023年7月には、ブラジルで新エネルギー自動車の製造、リン酸鉄リチウム電池の材料加工、電動バスと電動トラックのシャシー製造など、3つの自動車関連工場を建設すると発表。2024年下半期の生産開始を目指している。

(財新記者:余聡)
※原文の配信は8月29日

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