「人のつながり」が日本の課題を解決する 藤沢烈と駒崎弘樹、「復興」を語る<3>

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駒崎:「プロボノ」という方法もあります。ご自身の職業技術を使ってソーシャルビジネスに貢献する、というやり方です。たとえばフローレンスでは、コンサルタントの方がプロボノとして入り、精緻な分析レポートを出してくださったので、すごく助かりました。

その方も「これまでやってきた仕事のなかで、一番世の中の役に立ったと思います。自分にとっても、忘れ得ないプロジェクトになりました」とおっしゃっていたのが、すごく印象に残っています。

一個人として社会にかかわるのが第一歩

会場:ソーシャルなことに対して企業の関心が高まっている、というお話でしたが、残念ながらまだそうではない企業も多いです。どうすれば会社を変えていけるでしょうか?

藤沢烈(ふじさわ れつ)●一般社団法人RCF復興支援チーム代表理事。1975年生まれ。一橋大学卒業後、マッキンゼー&カンパニーを経て独立。NPOや社会事業に特化したコンサルティング会社を経営。東日本大震災後、RCF復興支援チームを設立し、情報分析や事業創造に取り組む。文部科学省・教育復興支援員も兼務。共著に『ニッポンのジレンマ ぼくらの日本改造論』(朝日新聞出版)などがある。

藤沢:全部の会社がそうなればいいですけれど、なかなか変わらないのも一方の現実ですね。

最初から全部一気に変えるのではなくても、僕はいいと思うんです。それよりも、どんな会社にいようが「一個人として社会にかかわり続ける」というスタンスを持っていただくことが、第一歩なんじゃないかなと。

だからまずは「個人として社会にかかわれる領域を増やす」こと。そのうえで、そういうことに関心をもっている人のつながりを少しずつ作っていくのが大事かと思います。

駒崎:僕もそう思います。土日など会社が休みの日を使って、自分の好きなように社会にかかわればいいと思うんですね。仕事は仕事と考え、自分は個人として社会に参画する、という形です。「会社員として」ではなく、「ゲリラ戦士」でやればいい。

会場:地方への企業誘致についてのお話がありました。僕も人材紹介の仕事をしていて、地方や被災地に人を送っていければと思っているんですが、なかなか難しいです。「地方には行きたくない」とか、実際に行っても「ちょっと街が暗いんで、帰りたいです」というような方が多くて。どうすればいいでしょうか?

藤沢:私達も東北に100人近くの方をおつなぎしましたので、そのご質問はよくわかります。「その町にどのくらいコンビニがあるのか」といった生活環境の部分で見てしまうと、どうしてもうまくいかないんですよね。

うまくいくのは、やっぱり「人のつながり」があるケースです。「その地域にはこういう方がいて、こういう仕事をしている」という、人のつながりにうまく入っていった方は、仕事がしやすく、暮らしやすくなります。

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