「上司に評価される部下」には法則があった こうすれば出世の階段を上ることができる
こうした偉大な3人の人物に接してきた経験から、いかにすれば、それなりの成果が出せるのか、結果を得ることができるのか、その観点から、どのようなことをすれば「評価される部下」になれるのかを書き置きたいと思った。その思いからまとめた書が、この『部下論』である。ゆえに本書は、王道の「実践的・部下としての成功の条件」であると言えるのではないかと、ひそかに思っている。
とはいえ、本書は、奇を衒(てら)う内容ではない。いや、部下として大事なことは、結論から言えば、「当たり前のことを当たり前にやること」に尽きる。ゆえに「鬼面、人を嚇(おど)す」ようなことは書いていない。
成功する部下の行動法則を列挙
本書は、熱意が大事とか、誠実が大事とか、明るさ、けじめをつけることが必要だとか、プラスアルファの仕事をすべきとか、あるいは、どういう叱られ方がいいか、どうして時間・カネ・人間関係にけじめをつけないといけないか、などなど、記述している。そのような極めて平凡といえば平凡であるけれど、部下の立場にある読者の皆さんが、今から実行すれば、必ず上司に評価される、まさしく「成功する部下の行動法則」を列挙している。言い換えれば、「上司への階段」の実践的手引書にしていただけるのではないかと思う。
本書は、決して理論・理屈の書ではない。また、難解な書でもない。極めて平易な文章で記述している。いや、私の著作はすべてと言っていいほど、平易、簡潔を心掛けている。
それは松下さんから、つねに「文章を書いても、相手に、あるいは読者の皆さんに理解するのに苦労をさせるような文章を書いてはいけない」と繰り返し指導を受けたからだ。書き手が自分でわかっても、読み手がわからないような難解な文章では、何のために書籍を出すのか、上梓するのか、主客転倒である。読み手に、書き手の真意を、楽々と理解してもらえるような文章を書けと指導された。これは、読者の視点に立った考えだろう。「お客様の立場から、商品、価格を考えろ」と言っていた視点と相通じるところかもしれない。
本書の初出は、1999年『部下の哲学』(PHP刊)である。前後に『上司の哲学』、『人間大事の哲学』を上梓。いわば哲学3部作の1冊だ。このシリーズは、合計で130万部のベストセラーになった。
今回、復刻版を出したいとの申し出が東洋経済新報社からあったので、急いで精緻に読み直してみた。読み直しながら、「確かに今でも、いや、今の人たちにこそ、お役に立つ内容ではないか。なるほど、それで今回の申し出になったのか」と思った。読了後、直ちに了承した。これが今回の復刻版出版の経緯である。
本書を、部下の立場にある読者の皆さんに、ぜひ読んでいただきたい。必ず部下として、悩むことなく成功することを保証する。また、上司の立場にある読者の皆さんには、部下に、部下の皆さんに、本書の内容をお話しいただきたい。部下、上司、いずれの立場にある皆さんに、筆者として自信をもって本書をお勧めしたい。
三人の 師に導かれ 麦の秋 (かつひこ)
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