藤野 まず、リクルーターたちが、ファースト・リクルーティングをするにあたって、なんだか周りと上手く協調できそうにない、規格外の人間から切ろうとしますよね。それが当たり前だと思っている。
当然、入社試験や面接を通じて大勢の人が落とされるので、それに残れた人というのは、かなりの程度、似通った性質の集団にならざるを得ない。ある意味、これは危険な状況とも言えます。
渋澤 しかも、ネット社会、ハウ・ツー社会だから、誰かが「こうした方が良い」などと書き込むと、そうしなければいけないんだ、みたいなムードが一挙に拡散し、ますます皆の行動パターンが似通ってしまう。
日本の会社の問題は、組織の中間部分にある!?
藤野 一部のネットメディアでも話題になったのですが、たとえば面接室に入る前に、就活生がドアをノックするじゃないですか。その回数は3回だと合格、2回だと落ちるなんてことが、まるで都市伝説のように言われていましたよね。「そんなこと、あるわけないじゃないか」なんてツイッターやフェイスブックで書こうものなら、すぐに「就職の現場を知らなさ過ぎる」なんて叩かれてしまうのですよ。
渋澤 でも、経営トップは、そんな些細なことは気にしないでしょう。そもそもこれからの企業はグローバルな視野で物事を考えて行かなければならない。多くの経営トップは、グローバルなビジネス環境で活躍できる、多種多様な人材を求めています。粒が揃っていることは、さして重要視していない。つまり、モノカルチャーになっているのは、経営トップというよりも、中間層や現場だと思うのです。
中野 でも、それって、日本の会社組織に関する問題提議になっていると思いますよ。要するに、社長の言っていることが、現場レベルで全く具現化されていないということです。
渋澤 つまり、組織内部に強力な岩盤があるということです。やはり組織の中間部分が問題なのでしょうね。
藤野 ノックは2回だと内定がもらえないといった都市伝説はありますが、そこまで神経質にならなくても、今の就職環境は非常に良くなっています。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら