ICTの導入は、トップの裁量にもよります。校長や教育委員会は、率先して推進してほしいですね。保護者も巻き込んで「我々が変わらなければ」というビジョンを共有するのが理想です。ICTに苦手意識を持つ教員も多いと思いますが、これはもうやってみるしかありません。何度も繰り返し使うことで慣れていきましょう。
ICTの世界はクラウドやAIが標準化され、今やChatGPTも学校での活用が始まっています。社会全体が、「これからの教育にはICTは必須」という認識を持たないと改革が進みません。文部科学省もガイドラインを示し、適切な活用を進めようとしています。
ICTに否定的な意見もありますが、何事も過渡期には、ネガティブな意見はつきものです。かつて、テレビや漫画が悪者にされた時代がありました。その対象がかわったにすぎません。
むしろ学校という守られた空間の中で、上手な付き合い方を学ぶべきだと思います。学校の中ならいくら失敗しても大丈夫ですから、新しいことにチャレンジできます。
ICTを武器に、自分の人生を豊かにする
これからは、学校だけでなく社会全体で未来志向の意識を共有すべきです。デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、単に社会をデジタル化することではなく、社会全体が大きな変革をすること。つまり、デジタルを切り口とした、構造改革と言えます。
その問題は教育格差や教員の働き方改革、授業や学校組織改善など多岐にわたりますが、その問題に対して自分たちなりに創意工夫をして取り組んでいる先生方をはじめとした学校教育関係者がたくさんいます。
ICTによって、変化のスピードはものすごく加速しています。それに対応していくためには、自分自身も変わっていかなければならない。それを支えるためにはICTが不可欠です。
私は今63歳ですが、こうやって仕事を続けていられるのは、常に自分のことをアップデートしているからです。新しい情報を収集し、自分のものとすること、これを繰り返しやっています。今は、ChatGPTを学ぶことで新しい武器を得ています。
ICTは弱みをカバーするツールでもあり、実は年配者にとって強力な武器となります。思うように体が動かなくなっても、ICTがそれをカバーしてくれるのです。
だからこそ今の若い人たちには、将来のためにも、保守的にならずにテクノロジーを使いこなしてほしいと思います。今までできなかったことが、ICTを使うことでできるようになれば、自己効力感が高まります。道を切り開き、自分はできるという気持ちを持つことが大切です。面白いと思ったら、どんどんやってみましょう。
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