「45歳の誕生日にプロポーズ」させた彼女の"手腕" 理想とは反対の男性に惹かれていき…

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その頃にショックだった出来事がある。高校時代から親交があった日本人の同級生と交際したが、よりによって誕生日にお金を無心されたのだ。

「どこかに連れて行ってくれると思って会ったら、『お金がないから貸して』と言われて……。いくらか貸しましたが、それっきり会っていません。悲しくて泣いて、それから誕生日が憂鬱になってしまいました」

両親や妹との仲は良好な雅代さん。自分も20代のうちに結婚して子どもを育てる家庭を想像していた。でも、この体験でやや男性不信になってしまい、恋人と呼べる相手はいないままに20代が過ぎていった。

「社会人として最初の5年間は英会話学校の講師をしていました。生徒さんには同世代の独身男性もいたのですが、私には変なプライドがあって生徒さんには手を出さないと勝手に決めていたのです。それだけ心に余裕がなかったのかもしれません」

「いいな」と思う男性は全員既婚者…

外資系企業の役員秘書に転職してからも仕事以外に出会いを求めるゆとりはなく、職場では「いいな、と思う男性は全員既婚者」という状況が続く。気がつくと40歳になっていた。当時は3歳年下の妹も独身で、家族で暮らす実家は楽しく、仕事にも不満はなかった。そんなときに仕事を通じて「大人の男性」と親しくなった。

「私より一回り年上で、仕事ができて、奥さんや子どもを大事にしている方です。ある日、エレベーターの中で急にそんなことになり……。彼の単身赴任先に遊びに行き、3回だけ(男女の)お付き合いがありました」

いわゆる不倫であるが、雅代さんにはその男性と長く交際したり結婚したりするつもりはなかった。男性へのトラウマを解くための研修のような出来事だったようだ。

「本当にささやかなことですけど、食事に連れて行ってもらって優しくしてもらい、私を覆っていた鎧が剥がれていく気持ちになりました。それまでは男性とどう話したらいいのかわからなかったのですが、少しはわがままを言えるようになったんです。そうやって会ったのは3回だけで、後腐れはありません。彼には今でも感謝しています」

父親のように尊敬できる既婚男性との関係が刺激になったのだろうか。雅代さんはベンチャー企業に転職する。仕事のできる男性の秘書ではなく、自らが表舞台に立つキャリアに変更したのだ。そして、45歳が目前に迫ったときに「期限を決めて婚活をする」ことを決めた。結婚相談所に登録したのは年齢的な理由がある。

「マッチングアプリなどで自らアピールできる人ならば、この年齢になるまでにとっくに結婚しているからです。(独身証明書や履歴書などで)バックグラウンドがお互いにちゃんとわかっている人同士のほうがいいとも思いました」

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