「28歳のときに同棲していた彼からプロポーズされました。でも、彼は優しすぎて刺激が足りず、このまま結婚したら私の人生は平凡になってしまうと思って……。フェイドアウトしてしまいましたが、彼を嫌いになったわけではないし、ちゃんと別れなかったことで罪悪感が募りました」
Zoom画面の向こう側で赤裸々な思い出話を語ってくれるのはガルシア直子さん(仮名、41歳)。現在は、フィリピンのルソン島ではない小さな島で9歳年下のフィリピン人男性、ジョセフさん(仮名)と結婚して暮らしている。
「私たちが住んでいる島はリゾートで、大きなイベントがあると個人宅は停電になってしまいます。電気すら当たり前には得られない生活です」
「この人となら一生一緒に生きていきたい」
ジョセフさんは技能実習生として日本で働いた経験があり、今でも日本語が流暢だという。一緒に日本の役所に婚姻届を提出したのは去年の夏。子どもを望んでいるが今のところ妊娠はしていない。ただし、海外に出て自由に暮らして人生の方向性が定まり、「この人となら一生一緒に生きていきたい」と思える相手との晩婚には後悔はなさそうだ。
直子さんが、ジョセフさんの前の恋人と出会ったのは都内のアパレル店舗。直子さんは販売員で、1歳年下の彼は店長だった。その頃の息苦しさが現在の海外生活に影響している。
「私が勤めていた会社は男尊女卑がひどくて、女性のスタッフで声をあげることになったんです。私が代表して会社に意見したら、仲間だったはずの女性陣はダンマリ。おかしいな、と思いました」
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