7時間未満の睡眠が続くと「人は太る」という根拠 代謝に影響を与え、体はエネルギーを蓄えに走る

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石器時代なら、後者の人のほうがうらやましがられたにちがいない。食料が簡単には手に入らず、規則正しく食事をとるのが当たり前でなかった時代、エネルギーを蓄えられるのは、進化にとって利点だった。

大昔には食料を求めて長い道のりを進まねばならなかったことから、私たちの体はそもそも、エネルギーを消費するより蓄えるように設計されている。食べ物がいつでも手に入る今日の社会とは、状況がまるで違う。本来、狩りに出て、木の実や果実を採集するように作られた人類の体は、食べ物がたくさん詰め込まれた冷蔵庫がいつも目の前にある状況に、そう簡単には適応できない。

そのせいで私たちの多くが、つねに体重増加の危険にさらされているのだ。

就寝の直前にしっかりとした食事をとったり、夜遅くにたっぷり間食したりすると、摂取したエネルギーはそのまま脂肪貯蔵庫に送られてしまう。そんな食生活を長く続けたら、体重増加は避けられない。

睡眠不足が代謝に影響を与える

代謝は1日を通して変動する。そのため食事は代謝のピーク時、つまり日中に摂取することを勧めたい。

その一方で、代謝は睡眠によっても、正確にいえば睡眠不足からも影響を受ける。ただし睡眠不足に左右されるのは、基礎代謝ではなく食事誘発性熱産生だけ。一晩睡眠が不足すると、翌朝の熱産生量が約20%低下する。別の言い方をすれば、寝不足の後の体は、より多くのエネルギーを蓄えようとするのだ。

このことは、著者がドイツの研究者たちと行った実験でも確認されている。

体は、よく眠れなかった夜のエネルギー消費量が通常よりも多かったことを記憶し、食事から得られるエネルギーを蓄えることでこれを補おうとする。このような状況に置かれた脳は、「昨夜のような大量のエネルギー消費を経験したからには、将来同じような夜が訪れたときに備え、何が何でもエネルギーを貯蔵しておかなければ」と考えるのだ。

要するに、体重の増加は摂取カロリー量だけの問題ではない。代謝が一日中いつでも同じように効果的に機能するわけではないことから、食事をいつとるかも重要だ。

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