鶏もも肉 1枚(300g)
塩 重量の1%
レモン汁 小さじ1
オリーブオイル 大さじ1
長ネギ 1本
今回は一般的にスーパーで売られている鶏肉=ブロイラーを使います。ブロイラーとは品種ではなく、食肉専用として大量飼育された鶏肉の総称で、飼育日数が短く、ほとんど運動しないまま出荷されます。ほかに日本では地鶏が売られていますが、こちらはコラーゲンやグリコーゲンが多く、うま味が多いのが特徴。ただし、焼きすぎると硬くなります。
どちらがいいか、という話ではありませんが、ブロイラーは地鶏よりも水分が多く、筋肉組織が地鶏よりも発達していないため、焼きすぎても硬くならないという特徴があります。はじめはブロイラーで焼く練習を重ねたほうが料理は上達しやすいでしょう。
はじめの下処理として身側にレモン汁小さじ1をふりかけます。レモン汁をふってもすっぱくなることはないので安心してください。レモン汁は酸性の液体で、肉をジューシーにする働きがあり、鶏特有のにおいを軽減する働きがあります。レモン汁がなければ同量の酒でも結構です。
両面に塩をふります。身側に4割:皮目に6割という具合に気持ち皮に多めにふりましょう。塩加減は好みで調整できますが、0%はおすすめしません。塩をふることで肉の保水力が上がり、焼き上がりがジューシーになるからです。
皮目に塩をふったら、そのまま10〜15分置きます。塩をふってから時間を置くと、水分が出てきます。
塩をふったら水が出てくる→仕上がりがぱさつくのでは? と心配になるかもしれませんが、ここで浮き出てくるのは自由水。どちらにせよ加熱によって失われる水分なので心配する必要はありません。むしろ塩をふることで結合水が増えるので、肉の多汁感は向上するのです。
皮目に浮き出てきた水分をキッチンペーパーでしっかりと拭き取ります。水分が残っていると油が跳ねて危ないですし、焼きムラの原因になるのでこの作業は省略できません。
鶏の皮は50%の水分、40%の脂肪、そして3%のコラーゲンで構成されています。鶏の皮をパリッと焼き上げるには加熱によって脂肪分を溶かし、コラーゲンをゼラチン化させ、そのうえで水分を減らす必要があります。
塩をふってあらかじめ水分を出しておけばこの工程を効率よく進められます。理想はさきほど塩をふってから冷蔵庫でラップをかけずに一晩、置いて、皮目の水分を蒸発させる方法ですが、さすがに前日からチキンソテーを準備する人もいないと思うので、今回はこちらの拭き取る方式を採用しています。
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