茨城発のカフェ「サザコーヒー」が東京でウケる訳 地元食材をメニューに反映、コーヒーの質に磨き
サザコーヒーは創業家経営者のトップダウンで成長してきたが、従業員の声も吸い上げられる。
「6月末に実施したイベント『パナマゲイシャ新豆まつり』も、私たちが内容を決めました。そうした自由さはあります。ダメ出しされるのは、『それではお客さんが楽しめない』という時です」(バリスタ出身の店舗事業部社員)
別の従業員の声も聞いてみた。
「社長は、例えば『世界一のコーヒー屋を目指す』や『小売業に愛されるような商品づくり』と話します。私たち、店舗統括クラス以上の社員は、その言葉の真意を汲み取り、かみ砕いて店舗スタッフに伝え、日々の接客につなげていくのが課題です」(30代の男性社員)
「小売業に愛される商品づくり」では、1杯取りのカップオンコーヒーの賞味期限を1年から3年に延ばし、商品寿命を長持ちさせた。「製造プロセスを試行錯誤し、個別包装の商品内部の酸素を徹底的に抜き、酸素濃度を0.4%に抑えた」結果だという。
開業3年で6割が閉店するカフェ業界
今年2月1日に公表されたデータ(※)では、「閉店したラーメン店、カフェの6割以上が3年以内に営業終了」となっている実態が明らかになった。昔から喫茶業界は「3年で半数が閉店」といわれてきたが、この調査では、それを上回る結果となった。(※)「飲食店ドットコム」を運営する㈱シンクロ・フード(本社:東京都渋谷区)の調査による。調査対象数:3133件。調査期間:2016年1月1日~2022年12月31日
それだけ競争の厳しいカフェ業界にあって、地方発の「サザコーヒー」は半世紀以上人気を保ち続けている。
店舗数では、国内最大手の「スターバックス コーヒー」の1811店(2023年3月末現在)と比べても100分の1にすぎないが、「昭和の喫茶店の出世頭」としての存在感は色あせない。
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