投資信託と一言でいっても、証券会社によっては選択肢が千を優に超える。そこで、金融庁「つみたてNISAの対象商品」のなかからデビュー商品を選ぶとよいだろう。
ここで取り上げられている投資信託は手数料が低水準であり、長期投資に適していると金融庁が選択したものであるため、未経験者にとっても安心できるラインナップとなっている。筆者はなかでも米国の株価指数、または世界中の株式に投資するタイプをお勧めしたい。
米国といえば世界の頭脳が集まる国であり、今後も国としての成長が期待できるからだ。米国への投資となると地域分散が効いていないと思う方もいるかもしれないが、米国の株価指数に連動する投信に組み込まれている企業の多くは世界中で稼いでおり、もはや米国国内よりも、米国国外で稼いでいる比率が大きいケースも多々ある。
あなたが普段利用しているサービスを思い浮かべるとその意味が分かるだろう。スマホはiPhone、ネットではGoogleで検索し、YouTubeで動画を見て、SNSはFacebookとTwitterを使っている。買い物はAmazon、靴はNIKE、旅行に行くときに乗る飛行機はボーイングなど、日本に住んでいても、米国企業が提供するモノやサービスを使っていることが多いはずだ。
それでも不安ということであれば、世界中の株式に投資する投資信託にすればよいが、そのようなタイプの投資信託が投資している国は米国の比率が最も高くなっているだろう。
つみたてをしている人はボーナス月の増額はNG
それでは、すでに投資をしている方は何に注意すればよいだろうか。
多くの個人投資家はすでに「つみたて投資」を行っていると考えるが、その場合においては基本に忠実になってほしい。そもそも、つみたて投資は特定の投資信託を定期的(月に1回など)に、定額を投資し続ける手法だ。この手法のメリットは投資に対してリソースを割かないことにあるだけでなく、投資タイミングを分散することでリスクを低減させることにある。
つみたて投資を実践する個人投資家の多くは当然ながらこの理屈は理解しているはずだが、なぜかボーナスの活用法ということに話が及ぶと、基本からかけ離れた発想になってしまうことが多い。
例えば、毎月2万円ずつつみたて投資をしていたとしても、ボーナスが入った月は5万円多く7万円を投資するといった判断をしてしまうということだ。つみたてNISAを活用している場合、年間の投資上限額が40万円なので、毎月2万円の積み立て設定をすると、投資枠が16万円余ってしまう。
そこで、夏と冬のボーナス月で5万円ずつ増額すれば、非課税枠を10万円使えるではないか、と思うかもしれないが、それは年2回のボーナス月だけいつもより投資タイミングのリスクを取っていると言い換えることができる。
基本に忠実になるのであれば、せめてボーナス月から次のボーナス月までの半年間、毎月の投資額をそれぞれ1万円ずつ増額するほうが、投資タイミングの分散が図れるだろう。
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