東京外国為替市場でドル円相場が一時1ドル=130円台を突破した。これは2002年4月以来、約20年ぶりの円安・ドル高の水準となる。1年前の108円台からみれば20%も円安が進んだことになるが、3月初旬からの約2カ月ほどで13%も円安が進んでいることを考えると、いかに足元の円安のペースが異様かはわかるだろう。
その結果として、連日「円安」を報じるニュースが続いているため、それほど経済や投資に興味がない層にも「円安の影響」に興味を持つ人が増えてきたように感じている。今回は円安の影響について考えていこう。
外貨に対する相対的な価値
そもそも、「円安」とは何か。日本円が外貨に対して相対的な価値がどのように変動したかを表す表現と考えればよいだろう。1ドル=100円ということであれば、100円を渡せば1ドルと交換してもらえるということである。それでは、1ドル=120円になるとどうか。1ドルをもらうのに100円ではなく120円が必要となるわけだから、ドルに対して円の価値が下がっているということ。つまり円安になったということだ。
筆者は投資初心者や経済の初学者に講義をする機会が多いが、意外と勘違いをする人が多いのがこの部分だ。
1ドル=100円が1ドル=120円になると、つい円の量が20円増えているので、円が強くなったと思い「円高」と答えてしまう人がいるのだが、前述のように理屈がわかっていれば大丈夫だろう。
どうしても勘違いしてしまうという人は、為替相場においては自分の感覚と逆だと覚えてしまってもいいのかもしれない。
この基本を押さえた段階で、この2カ月におけるドル円相場の推移について再度確認してみよう。1ドル=115円台でスタートした3月。そして、4月28日には1ドル=130円を記録した。つまり約2カ月ほどで13%も円安が進んだことになる。
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